意外と簡単!釣り竿のガイド交換!
ブランク、ガイド、グリップを組み合わせこだわりの自作ロッドを仕立てるロッドビルディングの世界。まずは愛竿のガイドを新しくしてみることから始めてみては?
既製品にないこだわりのロッドが欲しいとなると、ブランク、ガイド、グリップをパーツから揃え、自分で組み上げるロッドビルディングの世界の門をたたくことになる。 筆者(つり人編集部・アライ)は、高校生のころからこの世界に手を出しており、ガイドの取り付けなどひと通りはできる。その話を聞きつけた副編集長のナガシマがロッドを改造してほしいと言ってきた。なんでも愛用のロッドに不満があり、ガイドを付け替えたいのだとか。よい機会なのでそのようすを紹介しよう。必要な道具とパーツ類さえ揃えれば意外と簡単にできることを知ってもらえると思う。経験で学んだコツなども参考にしていただければ幸いだ。 ロッドの進歩とともにガイドセッティングもまた進歩してきた。それはより軽量であったりライントラブルの少ない形状であったりするガイドが登場したからでもあるし、ラインの主流がモノフィラからPEに移り変わってきたのもその理由だ。旧式になったロッドでもガイドを交換することで、今どきの釣り方に合った使用感にブラッシュアップすることもできるのだ。 たとえば今回のナガシマのロッドは、ソルト用の6フィート5インチでMLパワーのスピニングロッド。遠征に便利な3ピースのモデルで、いろいろなターゲットをこの一本で楽しめるように、というコンセプトのモデルだ。ナガシマはボートシーバスで使用しているのだが、比較的大きめなリング径ガイドでガイド同士の間隔も広いためか、横風のなかPEラインでキャストしているとガイド間でラインが膨らみ絡むトラブルが多いという。 そこで、ガイドをオリジナルよりも小口径化しつつ数も増やして、ガイド間の弛みを少なくしたい。さらにオリジナルではステンレスフレームのガイドだったところ、せっかくなのでチタン製に替えて軽快な振り感にもしたいという要望だ。 それでは作業のようすを順に紹介しよう。
必要なもの
①ガイド②スレッド③ 2 液性エポキシコーティング剤④ 2 液性エポキシ接着剤⑤ PE ライン(1 号前後)⑥デザインナイフ⑦カッター⑧筆(使い捨て)⑨プラスチックカップ(なるべく小さいもの)⑩燃料用アルコール⑪アルコールランプ⑫ティッシュ⑬フィニッシングモーター⑭油性サインペン⑮マスキングテープ⑯瞬間接着剤⑰定規⑱プライヤー⑲耐水ペーパー(# 400 〜800 前後)このほか敷き紙(チラシ、メモ用紙など)と、雑誌も数冊あると便利
作業手順
長さ方向のガイドの位置を決める。今回はオリジナルより小径軽量化して数を増やしたい(8 個→ 10 個)ので、参考ガイドスペックをもとにティップ側からだんだん間隔が広くなるよう、定規で長さを測りつつ、細く切ったマスキングテープでマーキングしていく。長さ、パワー、アクションとガイド個数が似ているバス用ベイトロッドが参考になった
ここから仮止めしたガイドの足にスレッドを巻いていく作業。まずPE ラインで作った長さ5㎝ほどの輪(抜き輪)を2 ~ 3 個用意しておく
ガイドの足の先端から2 ~ 3mm のところでスレッドをクロスさせ巻き始める。滑ってしまう場合は、スレッドの端を少し離れたところにマスキングテープで仮止めしておく
ロッドをフィニッシングモーターにセットする。5 ~ 10 秒で一回転する低速のモーターで、硬化するまで回転させ続けることでエポキシが偏るのを防ぐアイテム。チャックで挟んで固定するが、傷が入らないようつかむ位置をマスキングテープなどで保護する。台座はマスキングテープなどで机に固定すると硬化中に倒れてしまうトラブルを防げる。また、モーターがついていないほうの台は適当なものでかさ上げして少し高くするとよい(理由は後述)
コーティング用の2 液性エポキシを混合する。決められた混合比を正確に守るのが重要。さもないといつまでも硬化せずベトベトなまま釣りをするはめになる。ジャストエース「エポキシコート JEC-40」はシリンジが付属しているので計量が簡単かつ正確
粘度が下がった余分のエポキシが垂れてくるので、筆で受け止める。表面張力を利用して均等な厚みになるよう筆で誘導すると見た目が整う。このときエポキシがガイドフレームに沿って垂れてきて、最悪の場合ガイドリングをふさいでしまうことがある。台を高くしてティップ側を上げているのはエポキシが垂れる方向を誘導するため。スレッドに乗せるエポキシの量の塩梅は難しく、強度・見た目・軽量を考えると、硬化後にスレッドの質感が浮き出ない範囲でなるべく薄く盛られている状態が理想。手間を厭わないなら1 度目はスレッドにしみ込むくらいで薄く塗り、硬化後に2 度目で仕上げ塗りするのが確実だが、早く釣りをしたいので1 度で仕上げたいのが人情だ
完全に硬化するまでひと晩~ 1 日回し続けて完成。手などについたエポキシはアルコールで拭き取る。床に垂れてしまったものも同じように拭くが、フローリングのワックスがアルコールでダメになるものだった場合、敷金が失われる可能性があるので注意