【早わかりポンプ】ポンプの直列運転・並列運転の注意点
【早わかりポンプ】ポンプの直列運転・並列運転の注意点 同一のQH特性を有するポンプを増設して2台直列運転するとき、増設する前と同一のシステムヘッドカーブに対しては、運転点は1台単独時の①から②に変化します。 このとき 流量はQ1からQ2へと増加し、全揚程も増加しますが1台運転時の2倍とはなりません。
同一のQH特性を有するポンプを増設して2台直列運転するとき、増設する前と同一のシステムヘッドカーブに対しては、運転点は1台単独時の①から②に変化します。 このとき流量はQ1からQ2へと増加し、全揚程も増加しますが1台運転時の2倍とはなりません。 流量を1台単独運転時と同一に維持して、全揚程を2倍とするためには、各ポンプの吐出弁を調整して運転点を②から③へ移行し、2台直列運転時の合成QHカーブに対して、運転流量がQ1となるように調整する必要があります。(運転点③は①と同一流量で全揚程が2倍)
直列運転の注意点(2):後段ポンプの吸込圧直列配置における後段のポンプは、吸込圧力が高くなる(前段ポンプの吸込圧力+前段ポンプの全揚程)ので、軸封部品やケーシングの耐圧設計に注意が必要となります。 前後段に同一ハイドロ性能のポンプを用いる場合でも、耐圧部は異なったものとなります。
直列運転の注意点(3):起動の順序後段ポンプを先に始動すると、停止している前段ポンプが抵抗となって、吸込み損失が増加しNPSHが不足する可能性があるので、前段ポンプを先に始動します。 この時、後段ポンプには前段ポンプからの吐出圧力を持った水が流入して正方向に回転します(ウオーターミルと呼ばれる現象)。後段ポンプ自身は未だ始動していないため内部では圧力損失が生じ、このために通常運転時とは逆方向のスラストがかかります。 したがって、始動時は流量を最小流量として、前段ポンプに引き続き後段ポンプも速やかに始動するようにします。
2.並列運転とその注意点
2台のポンプを並列にするときのQH特性は、各ポンプの同一全揚程における流量を足し合わすことで得られます。2台並列運転系統図と同一性能の2台並列運転の特性曲線例を示します。
(1)流量に関する注意点ただし、同一特性のA,Bポンプの流量が同じ(均等)になるのは、最初から50%容量ポンプ2台並列運転を前提として作られた送水系統の場合です。 当初1台であった所に1台を増設した場合、配管系統に変更を加えなければ(当初のシステムカーブのままの場合)、下図のように運転点は単独時の①から②に移行します。 並列時の流量Q2は、単独時の流量Q1の2倍とはならず、並列時の全揚程に対応する単独時QHカーブの流量Q’の2倍になります。
逆に上の図が、当初から1台の定格流量がQ’(50%)である同一特性ポンプを2台並列運転して Q2=2xQ’(100%) の流量を得るシステムであったとき、片方のポンプを停止して、1台単独運転に切り替えると運転ポンプの流量は図の①の点に移行して流量がQ1となり、並列運転時のQ’より大きくなります。 遠心ポンプの場合は、流量が増えるほど軸動力が大きくなりますので、駆動機が過負荷になる可能性もあるため注意が必要です。
(2)ポンプ性能のバラツキに注意下図の例では、全揚程の低いポンプAは右図で流量Q1までは締切状態となり送水できません。(システムヘッド①) Bポンプの吐出弁を開いて系統圧力をAポンプの全揚程より低いシステムヘッド②まで抵抗を下げればAポンプは送水できますが、ポンプA流量<ポンプB流量となって、偏りが生じます。 Aポンプは小水量運転、Bポンプは過大流量運転となって振動などトラブルを生じる恐れもあります。
従って、並列運転を行う際は、各ポンプのQH特性の差はなるべく少なくなるようにすることが望ましいです。
(日本アイアール株式会社 特許調査部 S・Y)
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