人気に大けが、被災の故郷、長い沈黙の奥底には壮絶な覚悟があった 花形力士、遠藤を物語る無数のキーワード
人気に大けが、被災の故郷、長い沈黙の奥底には壮絶な覚悟があった 花形力士、遠藤を物語る無数のキーワード

人気に大けが、被災の故郷、長い沈黙の奥底には壮絶な覚悟があった 花形力士、遠藤を物語る無数のキーワード

かつてスピード出世の花形力士として一世を風靡した大相撲の幕内遠藤は今、往年とは異なる光を発している。...

遠藤がほとんど無言を貫いた期間は10年近くに及ぶ。その理由は二つある。まずは「言ったことと違うことが書かれたり、自分の意図と違う表現で記事になったりした」と言う。これは他競技や他分野でもある話だ。もう一つの理由が驚きだった。「2015年以降は、ことあるごとに『膝の具合は? けがはどう?』という質問になる。自分は『大丈夫、大丈夫』と呪文を唱えて頑張っていて、実際は大丈夫ではないけど『大丈夫』と答えるしかない。そしたら軽傷というか大したけがではないと思われてしまい、それもどうかと…。極論すれば何も答えない方がいいという結論になった」 本当は大けがに耐えて奮闘している事実も知ってほしい一方、対戦相手に弱点を教えるヒントは控えたい。言葉を発することで、断ったはずの退路を探すきっかけになれば、良くなるはずのない両膝に「大丈夫だよな」と念じ続ける呪文の魔法が解けてしまう。貝になった背景には深すぎる葛藤があった。

▽新幹線「かがやき」で駆け巡った熱い情熱

2025年1月、初場所12日目の立ち合いで踏み込む遠藤(左)=両国国技館

▽「ボラ待ち櫓」に特別な感情、立ち姿に無数のキーワード