「である」ことと「する」ことの内容解説|丸山真男の評論文|本文要約・テスト予想問題対策|高校現代文
「である」ことと「する」ことの内容解説|丸山真男の評論文|本文要約・テスト予想問題対策|高校現代文

「である」ことと「する」ことの内容解説|丸山真男の評論文|本文要約・テスト予想問題対策|高校現代文

「である」ことと「する」ことは丸山真男さんが1961年に発表した評論文です。高校現代文の教科書にも掲載される作品なので、テスト勉強で学習したという方も多いのではないでしょうか。今回はそんな丸山真男さんの評論文「である」ことと「する」ことの内...

近代社会における制度は、「である」ことからどれだけ「する」ことへ移行しているかという見方によって民主化の度合いを測定する事が出来る。 徳川時代の社会は「である」価値の社会で、身分的な属性こそが決定的な役割をもっていた。 「である」論理から「する」論理への移行は、業績を本位とする社会への移行という事であるが、領域等によっても差異がある。 日本が近代化するにあたって起きた混乱は、「する」価値が猛烈に浸透する一方で、「である」価値が強靭に根を張って抵抗した事が原因だ。 本来は「する」ことの価値が浸透すべきところでそうならず、反対に必要のないところで効用と能率原理が進展してしまったりしている。

「である」ことと「する」ことの段落分け要約 【一段落目】 ○一段落目の内容要約 近代社会の自由や権利は現実に行使する事で初めて守られるものである。 なので「権利の上に眠る者」は結果的に権利を失うことになる。 【二段落目】

○二段落目の内容要約 近代社会における制度は、”「である」こと”からどれだけ”「する」こと”へ移行しているかという見方をする事で、民主化の進展の速度や、制度と思考習慣とのギャップなどの事柄を測定する事が出来る。

【三段落目】 ○三段落目の内容要約 徳川時代の社会は「である」価値の社会で、身分的な属性こそが決定的な役割を持っていた社会であった。 そこでは各人がそれぞれの身分や立場に満足し、それ以上望まない事が要求される。 【四段落目】 ○四段落目の内容要約 徳川時代の儒教道徳は典型的な「である」モラルであった為、いかに振舞うかという型が既に決まっているので、話し合いの時にも特別な手続きやルールを作らなくても問題なかった。 【五段落目】

○五段落目の内容要約 「である」論理から「する」論理へのへの移行は、業績を本位とする社会への移行という事であるが、領域による落差や、同じ領域での組織の論理と現場の人々のモラルの違いなど、様々なバリエーションが見られる。

【六段落目】

○六段落目の内容要約 日本の急激な近代化によって起こった宿命的な混乱は、「する」価値が猛烈に浸透する一方、「である」価値が強靭に根を張り、「する」原理を建前とする組織が、「である」社会のモラルによって封じ込められたところに起こった。

【七段落目】 ○七段落目の内容要約 本来することの価値が浸透すべき所で浸透しておらず、必要ない所で効用と能率原理が急激に進展するといった事が起きている。 【八段落目】 ○八段落目の内容要約 学問や芸術の創作活動においては、そのもたらす結果よりもそれ自体に価値があり、価値の蓄積こそが大切な事である。 【九段落目】 ○九段落目の内容要約 現代のような政治化の時代においては、深く内に蓄えられたものへの確信に支えられた発言や行動によって、である価値とする価値の倒錯を再転倒する道がひらかれる。 「である」ことと「する」ことで抑えておきたいポイント 「権利の上に眠る者」について 「時効」という制度は被害者が損をする不人情な制度に思われるが、この規定の根拠には、 権利の上に長く眠っている者は民法の保護に値しない という趣旨も含まれている この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によってこれを保持しなければならない 「徳川時代」と「現代」

【徳川時代】 ・身分社会。つまり「である」社会。 ・身分的な属性によって、振る舞い方が決まっていた。 ・他人同士の集まりがあったとしても、特別な手続きやルールがなくても問題ない。=他人間のモラルは発達しない。

【現代】 ・業績を本位とする社会。つまり「する」社会。 ・何かをする目的で組織や結びつきがつくられる。 ・領域による落差や、同じ領域での組織の論理と現場の人々のモラルの違いなど、様々なバリエーションが見られる。

倒錯

「である」ことと「する」ことで覚えておきたい単語

[民法(みんぽう)] 私人間の権利や義務の関係性をまとめた法律です。

[催促(さいそく)] 早く実行するように促す事。

[ネコババ] 拾ったものを自分のものにしてしまう事。悪いことをしたのに素知らぬ顔をしてごまかすこと。

[不人情(ふにんじょう)] 人情に欠けること。

[債権者(さいけんしゃ)] 金品を貸した際にそれを借りた人に返金要求ができる権利を持つ人。

[法理(ほうり)] 法律の原理。

[不断の努力(ふだんのどりょく)] 絶えることのない努力。

[偏見(へんけん)] かたよった見方。

[内奥の(ないおうの)] 奥深いところの。

[先天的(せんてんてき)] 生まれつき備わっていること。

[儒教(じゅきょう)] 孔子を祖とする政治、道徳の教え。

「である」ことと「する」ことでよく出るテスト予想問題

○問題:第二段落:「制度の自己目的化」とはどのようなことか。 答え:本来は達成されるべき目的に向けての具体的な手段であるはずの制度が、その制度を守ること自体を目的としてしまうこと。

○問題:第三段落:徳川時代の人々の集まりで、「話し合いはおのずから軌道に乗る」のは何故か。 答え:お互いの身分や属性がわかっていれば、それぞれがふさわしい振る舞いや道徳に従うので、特別な手続きやルールは必要ないから。

まとめ

いかがでしたでしょうか。 今回は丸山眞男が書いた評論文である「である」ことと「する」ことの内容解説・予想テスト問題対策についてご紹介しました。 高校現代文の教科書にも掲載されるほど、日本を代表する名文の一つとされていますので、是非深く理解して作品を楽しんで下さいね。