【とある魔術×刃牙】花山「……ジャッジメントだ……」【クロスSS】
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 22:52:12.56 ID:DyqPRho/0白井「ちょっと、そこのあなた」花山「………………」白井「わたくし、ジャッジメントですの。失礼ですが、身分証明証
秋田「そうか、やってくれるか……俺らも悪ィとは思ってる」 花山も花山組のトップに立つ人間であり、立場を同じくする秋田の苦悩も理解できた。 近頃はエリートヤクザと呼ばれる高学歴のヤクザも増えてきて、単純に暴力だけですべてを従えられる時代ではなくなっていたからだ。 しかしなにより、恩人が自分の為に悩んでいるという事実が花山には耐え難く、それこそが決め手になっていた。 花山「…………それだけでもねェだろ」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:08:29.07 ID:DyqPRho/0
それは容易に想像がついた。ヤクザの組長を学校に転入させるなど、普通の高校では許容できるハズもない。 それを秋田が無理に押し通す、ということならば、何かしら学校側からの条件がつくのは至極当然のことだった。 秋田「おめェには事後承諾で悪ィんだが、いくつかコネのあるトコを当たってみたら……一個だけ、良い返事を貰えた学校があった」
秋田「あぁ……あそこの理事長も、ちィとワケありでな。俺らとは仲良くしてるってわけだ」 格闘、銃弾、刀傷。おおよそ自分と同じ、いやそれ以上の修羅場を潜ってきたであろう秋田から発せられる、『超能力』という非現実的な言葉。 が、眉間に皺が寄った秋田の表情から、秋田自身もまた『超能力』に対してあまり理解を示していないということが見てとれた。 秋田「で、ヤロウの提示してきた条件ってヤツがな……おめェが風紀委員になる、ってコトなんだ」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:10:44.88 ID:DyqPRho/0
花山には、その秋田の言葉が何の冗談かと思えた。 花山組二代目組長などという、取り締まられる立場、その最高峰にある人間が。 風紀委員という、取り締まる立場の人間になるなど、誰が予想できようか。 秋田「『学園都市』はえらくチンピラや不良が多いって話でな。おめェが風紀委員になりゃその抑止力になるって理屈なんだと」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:13:19.02 ID:DyqPRho/0
そのような背景があって、花山はこの『学園都市』にやってきた。 だから、その矢先に風紀委員……ジャッジメントの白井黒子に花山が出会ったことは、ある意味幸運だと言えた。 花山「………………」
白井「ひゃっ!?」 ビクッ 考え事の最中に頭の上からドスの効いた声を浴びせられた白井は、思わず二、三歩ほど退いていた。 この男、今まで自分が裁いてきたスキルアウト達とは全然違う。白井がそれを理解するのに、それほど時間はかからなかった。 花山「どこだって訊いてんだぜ、お嬢ちゃん……」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:15:35.35 ID:DyqPRho/0
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:18:07.05 ID:DyqPRho/0
花山「…………遅ェ」 外で待ちぼうけを食らっていた花山が、そう呟いた直後。ドンッ、と彼の巨躯に、何者かが激突した。 もっとも花山自身は微動だにせず、激突した者だけが逆に吹っ飛ぶという有様だったが。 初春「い、いてて……」
花山「………………」 自分に体当たりを仕掛けてくる者など刃物を持ったチンピラくらいしか心当たりが無い花山だったが、 倒れたのが少女だと分かり、流石に鉄砲玉では無いだろうとその考えをあっさり放棄した。 初春「ご、ごめんな……ひぃっ!」 ビクッ
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:20:38.76 ID:DyqPRho/0
花山「………………」 花山としては勝手にぶつかられて勝手に泣かれただけなので、面倒くさい以外の何物でもなかった。 その少女に『大丈夫』のような気の利いた一言も言えない自分自身に、少しばかりの罪悪感はあったが。 御坂「……ちょっとアンタ、何やってんのよ」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:23:34.87 ID:DyqPRho/0
花山「………………?」 背後からかけられた、別の女性の声。 花山が振り向くと、そこには彼を憤怒の表情で睨みつける、常盤台のお嬢様、御坂美琴の姿があった。 その瞳に、怯えの色は無い。花山は一目で、その少女の強固な意志を感じ取ることができた。 御坂「……初春さんを泣かせたの、アンタでしょ」
御坂「…………!!」 花山は、言い訳という言葉とは無縁の漢だった。ぶつかったのは初春だが、その後の経緯から、泣かせたのは花山だとも言える。 自分に少しでも非があれば弁明を挟む必要はない。それが、花山薫という漢の美学であった。 御坂「アンタ、いい度胸してるじゃない。学園都市第三位、超電磁砲の可愛い友達に手を出すなんてね」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:28:29.18 ID:DyqPRho/0
人間が帯電している。その一見ありえないような表現が、現状を表すのには一番相応しかった。 御坂美琴の体の周りには、夥しい数の、青白い電撃が飛び散っていた。 御坂「……ふぅん、これ見てもビビらないのね。タダモノじゃないのか、そうじゃないならタダのバカね」
花山(……『超能力』ッてか……?) ヤクザの組長の自分が、高校に通う。風紀委員として、不良を取り締まる。 加えて、『超能力』などというワケの分からないモノを開発している『学園都市』で生活する。
正直なところ、ここ一週間のことは、まだ長い夢の途中なのではと疑いたくなることもあった。あまりにも現実味が無かったから。 しかし人間が平然とした表情で帯電しているという事実は、否応が無しに、それら全てが現実であると花山に認めさせた。 御坂「アンタが何者か知らないけど……初春さんを泣かせた分、私がアンタを泣かせてあげるわ!」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:31:39.88 ID:DyqPRho/0
電撃音。続いて花山の視界を覆う、一瞬の光。 花山「…………!?」 次の瞬間には、花山の体は何本もの青白い柱に包み込まれていた。 柱はお互いを吸収し合い、ビリビリと耳につく音を鳴らしながら、電撃の嵐へと変貌していく。 その範囲は花山の周りだけに収まらず、飛び散った電撃は二人の決闘を見物していたギャラリーにも飛び火した。 御坂「やばっ、やりすぎた!?」 このレベルで人に電撃を浴びせるということは、そう頻繁にあるものではない。 自分の感情が高ぶっていたせいもあっただろうが、周りのことを考えていなかったと御坂は少し後悔していた。 御坂「あっちゃあ……また黒子に怒られるかな。まあ、終わったからいっか」
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:34:33.77 ID:DyqPRho/0
しかし――― 花山「………………」 そこにあったのは、確かに二本の脚で、電撃を受けた時と同じ体勢で立ち続けていた、花山の姿だった。 花山「……プハァーーーッ……」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:36:48.97 ID:DyqPRho/0
その彼女の電撃を、正面から食らって。 御坂「ぷはぁ……で、済む……? 普通……」 電撃とそれに準じて発生する高熱の渦に囲まれた花山だったが、その結果は…… 彼が口から蒸気機関車のように煙を吹き出す、という行為。そして今や黒ずんでしまった、彼の純白”だった”スーツ。
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:39:48.48 ID:DyqPRho/0
手加減はした。したが、それでもその辺のスキルアウト相手なら致命傷レベルの電撃だった。 なにせ、初春が傷つけられたという思いから逆上し、思ったより出力が強すぎたと後悔していたくらいなのだ。 御坂「………………」
唖然とする御坂。対して、それを憮然と見下ろす花山。 二人の間には現時点で10メートル程の距離があり、射程を考えても明らかに自分が有利なのに、御坂はこれでも有利とは思うことができなかった。 御坂(もしかして……アイツのように、異質の力を消せる能力者?) 御坂はそう考えずにはいられなかった。 今まで、自分の電撃をマトモに食らって『普段と同じように立っていた』人間など、そうそう存在しないのだから。
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:42:10.58 ID:DyqPRho/0
しかし、花山にとっては『攻撃を受けて立っている』ことなど、呼吸にも等しい当たり前のことだった。 相手の攻撃はすべて受け、その上で反撃する。そのスタンスを貫いてきた花山には、数々の攻撃に対する実績と、培った耐性があった。 範馬刃牙には、何本も指の骨を折られた。
ピクルには、『押し合いっこ』で古代の力を実感させられた。 そんな彼が、10秒前後の電撃に耐えられない。そんなことはあろう筈も無かったのである。 花山「………………」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:44:35.43 ID:DyqPRho/0
御坂「つ、次はアンタも本気でやらないと死ぬわよ! 忠告はしたからね!」 御坂は、精一杯の虚勢を張った。言いようの無い不安感。 勝てないかもしれない、殺されるかもしれない。そういった思いを振り払うように、声を張り上げた。
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:47:08.23 ID:DyqPRho/0
しかし、それは御坂に衝撃を与え、同時に不安感の正体を明確にさせた。 『じゃあ、マジメにやっても良いんかよ?』 ……そうだった。奥に何かを隠している。底が見えない、本当は戦っても勝てる気がしない。そんな男に言われた言葉。 その男と、目の前の男。佇まいこそ違えど、その雰囲気は嫌なくらいに酷似していたのだ。
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:50:16.62 ID:DyqPRho/0
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:52:54.32 ID:DyqPRho/0
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:55:15.81 ID:DyqPRho/0
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:57:30.63 ID:DyqPRho/0
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/08(木) 23:59:44.01 ID:DyqPRho/0
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:01:56.83 ID:tRKFJmIU0
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:04:12.16 ID:tRKFJmIU0
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:06:44.31 ID:tRKFJmIU0
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:09:14.58 ID:tRKFJmIU0
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:11:42.01 ID:tRKFJmIU0
固法「飛んだのよ! その場で上空に! 空中で一回転してたの!」
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:14:02.13 ID:tRKFJmIU0
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:16:38.52 ID:tRKFJmIU0
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:19:30.86 ID:tRKFJmIU0
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:21:52.05 ID:tRKFJmIU0
141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:24:44.30 ID:tRKFJmIU0
152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:28:18.03 ID:tRKFJmIU0
佐天「くそっ! このっ、このっ!」 佐天が、靴の踵で花山の脚を蹴り飛ばす。何度も、何度も。 その勢いたるや、側にあったバットを拾ってまで殴りかかろうとする程だったが、そこでようやく初春に止められた。 佐天「ヤクザがそんなに偉いの!? 女の子を泣かせて、何が楽しいのよ!!」
佐天「……うう……私、悔しいよ……!」 御坂に付き添い、去っていく少女達。その中でも佐天だけは、最後まで花山を睨み続けていた。 やがて、ギャラリーも去っていく。胸に大きな焦げ跡が刻まれた漢を残して。 花山「……痛ってェ……」
156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:30:45.48 ID:tRKFJmIU0
御坂「ただの誤解だったんじゃない! この腕どうしてくれんのよ!」 御坂は、自分の右腕を左手で指差しながら花山に食ってかかった。 花山と一悶着あった後、御坂は腕の検査のために病院に運ばれ、数日入院することになったのだ。 花山「…………すまねェな」
161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:33:24.54 ID:tRKFJmIU0
168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:37:03.39 ID:tRKFJmIU0
一方で花山は、入院初日、すなわち事件当日には顔を出したが、その時の彼女たちの責めるような視線に耐えきれず、 今日は彼女たちの来るであろう時間からずらして見舞いに来たという訳だった。その意味も、たった今儚く消え失せたが。 花山(…………長居し過ぎたぜ……)
初春「さ、佐天さん! す、すみません、すみません!」 佐天の代わりに初春が花山に謝罪する。御坂と白井はいつものことだと苦笑するだけだった。 ちなみに初日と違い誤解は解けているため、佐天は恨みを込めて花山をヤクザ呼ばわりしているわけではない。 佐天「ヤクザのくせにお見舞いなんて、殊勝じゃない」
171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:40:21.97 ID:tRKFJmIU0
花山「………………」 組の都合だ、とはとても言えなかった。 佐天はヤクザ呼ばわりするが実際そうではあるし、カタギの人間には組の事情を知られたくなかったのだ。 初春「なんでも花山さんは、理事長の方から推薦があったらしいですよ。凄い人なんですね?」
176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:42:43.06 ID:tRKFJmIU0
花山「………………」 白井は首をほとんど動かさず、視線だけで花山を一瞥した。 花山としては相手が学生だろうが死刑囚だろうが、売られた喧嘩は(基本的に)買うだけなので、特に迷惑だとも感じていなかった。 どちらかと言えば、女4人に男1人という現在の状況の方がよっぽど対処に困るものであった。 花山「…………邪魔したな」
178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:45:19.73 ID:tRKFJmIU0
初春「な、なんでそうなるんですかぁ!」 初春は先程から佐天の単刀直入な物言いに不安しか覚えないようだったが、 花山としてはどの発言も当たらずしも遠からずで、この佐天涙子という少女はなかなか面白いと感じ始めていた。 まったく物怖じしないし、媚びてくる様子も無い。あまり自分の周りにいない型の女性に、花山は若干の興味を覚えていた。 花山「…………へッ」
179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 00:47:36.19 ID:tRKFJmIU0
花山「………………」 転入初日から揉め事を起こすような自分に、それを収めるべき立場の風紀委員など務まるのか。 しかし、少女たちはそういった花山の懸念もどこ吹く風であった。
263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:10:53.37 ID:tRKFJmIU0
無論、体格とその実力は比例しないものだが、それにしてもこの『学園都市』という異質な場所で 教える立場にある人間としては、少々威厳が足りないのではないだろうか。そんな失礼なことを考えつつ。 花山(…………コイツも能力者、ッてヤツか……?) ここは、女子中学生とヤクザでさえ、まともな決闘が成立する都市なのだ。 その辺にいる女子供ですら超電磁砲のような能力を持っているのではないか。そんな疑いを持ってしまう。
265: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:13:05.17 ID:tRKFJmIU0
しかし、花山はすぐにその考えを否定した。 それは以前、病院で御坂とこのような話をしたことがあったからだ。 花山「…………第三位……?」
266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:16:01.98 ID:tRKFJmIU0
御坂「……強いわ。悔しいから、本人の前じゃ言ってやらないけどね」 負けたとか強いとか言う割には、御坂は嬉しそうだった。 花山には、御坂の心情など分かるはずもなかったが。 花山「…………名前は?」
―――その後の話で、その男がレベル0の高校生ということも知った。そんなところまで花山と同じなのだ。 もしかしたら、刃牙のように地上最強を目指す高校生の一人かもしれない。 花山「……学園都市、か……面白ェな……」
269: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:18:12.85 ID:tRKFJmIU0
270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:20:30.67 ID:tRKFJmIU0
花山「…………ッッ」 月詠小萌という女性は、こんな小さなナリでも意外と強情だった。 ヤクザという自分の素性を知っていてもこう振る舞える女は、あまり花山の記憶には無い。
271: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:23:53.78 ID:tRKFJmIU0
花山「………………」 花山は、小学校、中学校と『人並み』の自己紹介などしたことが無い。そもそも、学生生活がまず『人並み』ではなかった。 ムスッとしていたら不良に絡まれて喧嘩。それを繰り返していたら舎弟が増え続け、気が付けば猿山の大将だった。
話そうと思えば話せなくもない(趣味が釣りとか)のだが、自分がそういう社交的な性格ではないことは自覚していた。 そんなわけで、結局いつも通り、話す必要もないと考えた花山は、また小萌の話を適当に流す作業に入るのであった。 小萌「ハイ、着きました! ここが、花山ちゃんがこれから高校生活を過ごすクラスですよ」
274: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:26:50.03 ID:tRKFJmIU0
278: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:29:29.60 ID:tRKFJmIU0
279: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:32:40.80 ID:tRKFJmIU0
――そこには、確かに存在した。小萌先生が言うように。 背が高くて。スーツが似合う。 素敵な人……が。 花山「………………」
282: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:38:41.17 ID:cnt3swGO0 (さるさん食らったから別PCから) シーン、と場が静まり返る。
とりあえず、デカいヤクザ。それが全員の共通した印象だった。 小萌「…………え、えっと。じゃあ、黒板に名前を書いてください……」 ポカンとした生徒たちに申し訳なさそうにする小萌。 小萌の前振りが大きすぎたのか、それとも花山が規格外すぎたのか。しかし、誰を責めることもできないのは確かだった。 小萌「その……花山ちゃんは、ご家庭の都合で……その……」
花山「………………」 実家がヤクザで、組の都合で高校生になった、などとは言えるはずもなく。 結局この空気が続き、転校生の花山がほとんど無言のまま終わるという、寂しい自己紹介となった。
286: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:44:32.71 ID:cnt3swGO0
上条「え!?」 この間席替えしたばかりのせいで、上条の隣には机一つ分のスペースがあった。 その瞬間、近くに座っていた生徒たちが、ここぞとばかりに予備の机と椅子をセットする。 上条「て、てめぇら……」
土御門「俺らも命は惜しいぜよ」 そんな話の中心になっている花山を、上条がチラッと横目で窺うと。 花山「……上、条……?」
上条「え!? な、なんでしょうか! 上条さん、アナタ様のような屈強なお方とは初対面であったりなかったり!」
289: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:47:46.45 ID:cnt3swGO0
花山が、上条の席までコツコツと歩み寄る。 張り詰めた緊張感の中では、あたふたする上条を覗いて、誰一人声を発する者はいなかった。 花山「……御坂を、知ッてるかい……」
御坂美琴に強いとまで言わしめた、上条当麻とは――― 御坂美琴に怪我を負わせて入院させた、ヤクザとは――― ―――この、目の前の男だ。
296: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:51:46.45 ID:cnt3swGO0
上条「……いいぜ。てめぇがアイツを傷つけたってんなら! まずはそのふざけた幻想をぶち殺す!」 上条は、机を蹴飛ばし、椅子から立ち上がるやいなや―――花山の顔を、その右拳で、殴り付けた。
上条「…………ッ!」 上条は、眼前で自分を見下ろすこの男が、御坂を痛めつけ病院送りにしたのだと知った瞬間。 ごく自然に、条件反射のように、体が動いていたのだ。
298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:55:05.02 ID:cnt3swGO0
それなのに。 目の前の男は……花山薫は、微動だにしなかったのである。 愕然とする上条の肩に、ポン、と花山の左手が置かれる。
304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 18:58:24.31 ID:cnt3swGO0
上条「…………!!」 上条の肩に、花山の手が置かれている。そんな距離。 この状態から、砲丸程の大きさもある花山の拳を食らったら、自分はどうなるのか。
上条は、恐怖した。殴られることを。痛みが来ることを。あまりにも唐突に訪れた、死という現実を。 ――だが、花山は、動かない。 花山「………………」
上条「……な、なんだよ! やるならやりやがれ! 俺から売った喧嘩だ、怖くなんてねぇぞ!」
花山「…………見てな、ぼうや」 上条から手を離し、教室の壁に歩み寄る花山。 その行動を理解できる者は、この場には誰一人いなかった。
309: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 19:01:42.69 ID:cnt3swGO0
『 体重 × 』 花山が右拳を後ろに引き、拳を握り締める。 花山「………………」
上条「……お、おい、まさか……!」 それを見た上条は、直感した。その行動が、何を意味するのかは分からない。 だが、何をしようとしているのかは分かった。ヤバイ。この男ならやりかねない。 『 スピード × 』 小萌「……え? え?」 花山の目の前は、壁だ。 コンクリートで構成されており、破壊するにはドリルなどの機械か、レベルの高い能力が必要となるだろう。
318: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 19:05:20.59 ID:cnt3swGO0
『 握力 = 』 それでも、こいつならやるッッ! そんな、予感めいたものが上条にはあったのだ。 しかし、それが異能の力ではない以上、上条の幻想殺しでは止められるわけもなく…… 『 破壊力!! 』
323: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 19:08:10.12 ID:cnt3swGO0
小萌「花山ちゃん! 上条ちゃん! 後で職員室に来なさい!」
花山「………………」 花山が放った大振りのストレートは、見事に壁をブチ抜き、二つの教室をくっつけてしまった。 隣の教室の壁際に誰もいなかったらしく、それだけが不幸中の幸いだったと言えよう。 上条「参った……参りました!」
325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 19:11:43.29 ID:cnt3swGO0
327: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 19:14:31.31 ID:cnt3swGO0
329: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 19:17:00.41 ID:cnt3swGO0
341: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/09(金) 19:20:43.39 ID:cnt3swGO0
ちょっと小腹が空いたからコンビニに行っただけなのに、 往来でスキルアウトに絡まれ、能力を使用させられるハメになったのだ。 一方通行「はァ……寄り道なンかすンじゃなかったぜェ……」
512: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:08:21.34 ID:soNp0Be60 一方通行の前に現れたのは、学園都市外ならどこにでもいるような、杖をついた老人だった。 高そうな眼鏡をかけて、ジッと一方通行の顔を窺っている。
516: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:11:02.56 ID:soNp0Be60
しかし今や一方通行は、老人と同じように、杖をついて歩く生活を余儀なくされている。 だから、その老人の悩みや苦しみが決して他人事とは思えなかったのだ。 一方「……で?」
??「ん?」 若者と老人が杖を使いながら、ゆっくりと歩みを進めて行く。 時間がかかることが容易に予想できた一方通行は、暇潰しに老人に話題を提供した。 一方「学校なンかに何の用だ、その歳でよォ」
518: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:13:22.01 ID:soNp0Be60
老人の話によれば、この老人は柔道の指導員として、警察にも呼ばれる程の人物らしい。 こんなボケた老人がそんなに強いとはとても思えなかった一方通行は、それを話半分に聞いていた。 ??「そういや、お前さんも杖を使っとるが……どっか悪いんかい」
520: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:16:35.25 ID:soNp0Be60
??「ん、なんじゃい?」 一方通行はその老人の質問に……言葉ではなく、行動で答えた。 すかさず老人の持っていた杖を蹴り飛ばし、同時に距離をとる。
523: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:18:49.71 ID:soNp0Be60
一方「てめェ……なにもンだ? その佇まい、ただのジジイじゃねェだろ」 一方通行は、先程の老人の話を思い出していた。嫌な感覚がふつふつと押し寄せる。 実は、自分が勝手に嘘八百だと決めつけていた老人の自慢話は、偽りの無い事実だったのではないだろうか、と。
525: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:21:33.88 ID:soNp0Be60
一方「けっ。ジジイに褒められても嬉しくねェっての」 渋川は一方通行の嫌味にも、かっかっかと笑って返すだけだった。 この老人は、一方通行が学園都市最強の能力者だと知ってようとなかろうと、そんな余裕を見せることのできる男であった。 一方「なンで杖なんかついてやがった?」
渋川「ヘンソウじゃよ、ヘンソウ。一部の人間からすりゃ、ワシは結構有名なモンじゃよ。もちろん……これも、ヘンソウ」 眼鏡のフレームをコンコンと叩く渋川。 一方「ちっ……食えねェジジイだ」
527: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:24:49.48 ID:soNp0Be60
一方「さっきの……? ああ、スキルアウト共をノした、アレのことかァ」 渋川は超能力の存在も名前でしか知らず、学園都市に来たのも今日が初めてだった。 当然ながら、一方通行に関しては名前も能力も、知る由も無いのだ。 渋川「攻撃した相手が吹っ飛ぶ、なんてのは、なかなか興味深いモンがあってな……」
渋川「ワシも、知っとるんじゃよ。そういう技をな」 が、先程の騒動に偶然居合わせたことで、渋川は一方通行の強さを目の当たりにしてしまった。 それも、腕っ節などの単純な強さではなく……自分の良く知っている強さを、である。
530: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:27:34.48 ID:soNp0Be60
今まで目の前にいたのは、小さな、小さな。 転んだだけでも骨が折れてしまいそうな、ただの老人だったハズなのに。 一方(……で……でけェ……ッ! なんだ、このジジイ……ッッッ!!) 渋川剛気は、一方通行が今まで見てきた『老人』の常識をすべて覆した。 その姿から感じられるのは、自分に向けられる明確な、威圧、牽制、殺気。
534: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:30:05.61 ID:soNp0Be60
その頃、花山と上条は騒ぎを起こしたペナルティとして、渋川の探索に向かわされていた。 宿題の追加よりはマシだと、しぶしぶ引き受けたのだが…… 花山「………………」
上条「はぁ、はぁ……あ、あれか……?」 見つけた時、二人が目撃したのは、対峙する二人の人物。 一人は紛れも無く、探していた人物である、渋川剛気。そして、もう一人。 上条「なっ、一方通行……!? アイツ、なんであんな爺さんと……」
535: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:32:51.05 ID:soNp0Be60
一方(とりあえず『反射』だな。あとは物体表面上の物理演算に限定すりゃあ、結構保つだろォ……) 首のチョーカーに手を伸ばし、スイッチを入れる。 これが、今は制限されている一方通行の能力を開放する、唯一の手段だ。 一方(とは言え、ジジイの能力は一切不明。さて、どう攻め……) ――眼鏡。
眼鏡が、飛んできた。 一方通行はチョーカーのスイッチに手をかけたまま、その眼鏡を凝視する。 一方(これは……ジジイのか! てこたァ、この眼鏡には仕掛けがあるってことかァ!?) 一方通行の能力は『ベクトル操作』。爆弾や毒ガスの類ならば『反射』によって避けることができる。 しかし、閃光弾のように直接体に触れないものに関しては、彼の能力は効果を発揮できないのだ。
537: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:35:30.31 ID:soNp0Be60
――カンッ。 一方通行の懸念も虚しく、眼鏡は彼の足元に落ちた。 逃げの体勢のまま、硬直する一方通行。視線は当然、目下の眼鏡。
一方「…………!!」 次に一方通行が顔を上げた時には、渋川は互いの息がかかる程の距離まで近づいていた。 無論互いに射的距離内であるが、動揺した一方通行に比べ、渋川にはこうやって声をかける余裕すら見える。 一方「なろォ!」 小馬鹿にされ逆上した一方通行は、渋川のニヤついた顔めがけ、掌打を放った。 とにかく渋川の体のどこかに触れることができれば、ベクトル操作で吹っ飛ばし、壁や地面に叩きつけられるのだから。
540: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:38:24.79 ID:soNp0Be60
一方(当たンねェってことが、あるンだな……) そこにあったハズの顔は既に無く。一方通行の掌打は、何も無い宙を切るだけだった。 その瞬間にも、渋川は即座に体勢を低くすることで、掌打の回避と反撃の準備を同時に行っていた。 渋川「ほぅれ」 攻撃直後の一方通行は体勢を崩しており、渋川のいい的でしかない。 無論渋川はその隙を逃さず、一方通行の脚に、軽く自らの右肩を当てる。 一方(体当たり、か。ヘッ……!) ドンッ。
542: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:41:54.18 ID:soNp0Be60
渋川「…………ッッ」 たたらを踏んだのは、渋川だった。 一方「……ハ。どうしたよジジイ。今のは千載一遇の好機だったンだぜェ?」
渋川(…………どういうこった。ワシは確かに、小僧の掌打に合わせて技を仕掛けた) 渋川が、右肩を押さえながら後退する。 それを見た一方通行は、自分の能力に対し、やはりこの老人は無力である、と悟っていた。 一方「どンだけ回避が上手くても、攻撃がヘタクソじゃあなァ?」
渋川(しかし次の瞬間、ワシの肩は『押し戻されていた』……奇ッ怪なモンじゃの……) 渋川剛気。この世に生を受けて70余年。 自らが育て上げてきた柔術を『根本から』覆す敵に、初めて出会った瞬間だった。
545: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:44:25.58 ID:soNp0Be60
花山「…………上条、これは……」 渋川と同様に、花山も闘いの流れに疑問を感じていた。 なにせトーナメントでは、渋川の技の前に、あらゆる巨体の男たちが舞う様を何度も見てきたのだから。
549: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:52:22.34 ID:soNp0Be60
一方(そンな程度の攻撃しかしてこない、なんてこと、あるかァ……?) 一方通行が最も頻繁に使用する『反射』は、物体の持つベクトルを『等値』で反転させるものだ。 渋川が本気の速度で体当たりを仕掛けたとすると、渋川の小柄な体はかなり吹っ飛んで当然なのである。。 渋川「……ナルホド、さっきの連中はコレにやられたんかい」
554: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:55:27.78 ID:soNp0Be60
一方「チ……黙りやがれ、ジジイ!」 脚のベクトルを操作し、前傾姿勢で超加速する一方通行。 初動無しでこの速度が出せる無能力者は、まず地球上には存在しないだろう。 一方(とにかく、触りゃあ勝ちだァ! この速度なら反応できねェだろォが!) 渋川に急接近し、腹めがけて拳を叩き込む。 パンッ。 渋川「つかまえたァ♪」
559: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 17:58:48.84 ID:soNp0Be60
渋川「これかの?」 渋川が一方通行の拳を引っ張る。と、一方通行もつられて体勢を崩した。 一方「な……!?」
渋川「お前さんは、あんまり感じたことの無い感覚かの? かっかっか」 反射がセットされている状態で『引っ張られる』という現象自体が、そもそも矛盾していた。 それ以前に、幻想殺しも無しに一方通行の拳を握れる人間など、存在しない筈なのに。
565: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 18:01:55.49 ID:soNp0Be60
570: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 18:04:45.06 ID:soNp0Be60
渋川「もう一回、試してみッかい?」 渋川が一方通行の拳を解放する。と同時に、一方通行は加速して大きく距離をとった。 一方「ク……クカカカカカッ!! いいぜ、いいぜェ!!」
574: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 18:08:21.35 ID:soNp0Be60
576: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 18:10:57.02 ID:soNp0Be60
ただ理解できるのは、投げられた、という事実のみ。 ダンッ、と背中からアスファルトに叩きつけられる。無論、受身などとれるハズもない。 一方「かッは……ッッ!!」 痛い。背中だけでなく、全身に痛みが回る。
579: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 18:13:40.55 ID:soNp0Be60
583: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 18:16:29.49 ID:soNp0Be60
渋川「ほう、まだ立てるんかい」 回転している間、頭が相当揺さぶられた。 しかし微かな意識を振り絞り、地面にぶつかる自分のベクトルを操作することで、若干ダメージを抑えることに成功したのだ。
586: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/10(土) 18:20:11.45 ID:soNp0Be60
渋川「……ほな、学校に行きますかね」 渋川は、去っていく。 倒れ伏した一方通行を後にして。
705: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 09:39:25.41 ID:ufRuGDb+0 渋川による特別授業も滞りなく終わり、その日の放課後のこと。
校舎を出た花山を待っていたのは、上条、土御門、青髪ピアスのデルタフォースだった。 上条「よっ! 一緒に帰らねぇか?」
花山「…………ッッ」 花山は、素直に驚いた。自分はこのナリや性格もあって、トラブルに巻き込まれやすい。 そんな自分に『一緒に帰ろう』などと言った馬鹿が、これまでの学校生活でいただろうか。 青ピ「こ、こんにちは、ご機嫌うるわしゅうぅぅ」ガクガク
土御門「いや! カミやんが認めたんなら、そんなに悪いヤツでもないと思う! 思うことにするぜよ!」ビクビク
706: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 09:41:47.20 ID:ufRuGDb+0
道中、適当に寄り道をしながら帰る四人。 青髪ピアスの提案で、普段寄らないクレープ屋なんかに寄ってみたりする。 花山「………………」モニュ…モニュ…
上条「それ褒めてねぇだろ!」 右手にしっかりクレープを携えながら、高笑いをする青髪ピアス。 そして、事無きを得ようとなだめる上条。この二人の関係は、花山に佐天と初春を思い出させた。 花山「…………高校生、か……」
707: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 09:44:56.04 ID:ufRuGDb+0
青ピ「明日は壁壊したらアカンでぇ~」 三人に別れを告げ、彼らとは別の方向へ歩き出す。 花山には、これから行かなければならない場所があったからだ。 花山(一度、顔を出せ……ッて、言われたからな……)
708: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 09:47:22.69 ID:ufRuGDb+0
ジャッジメント第177支部。 白井黒子に言われた通り、律儀にここを訪れた花山を待っていたのは、 「なんだ、ホントに来たの?」 という佐天の冷たい一言だった。
佐天も嫌味とか皮肉とかそういうものではなく、 単純に感想として述べているだけで、これっぽっちも悪気は無かった。 佐天「アンタがジャッジメントなんて、信じられないんだもん」
710: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 09:50:32.52 ID:ufRuGDb+0
初春「きゃあっ! いきなり抱きつかないでください~!」 敷居の向こうから、何が起きてるのか容易に想像できる声が聞こえてくる。 その状況に、やはり固法は頭を抱えていた。 固法「……ごめんなさい、騒がしくて」
712: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 09:54:06.64 ID:ufRuGDb+0
固法「ええ、話が早くて助かるわ。それじゃ早速だけど、今日から始めてもいいかしら」 顔を出せと言われたのは研修のためだと言われていたので、これくらいは想定内だった。 寮も近いし門限を考えても時間的な余裕はあるので、花山は固法の提案を承諾した。 固法「初春さんや白井さんにはまだ任せられないから、研修は私が担当するわ。よろしくね」
714: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 09:59:29.50 ID:ufRuGDb+0
固法「……一応言っておくけど、実力行使に走るのはやむを得ない場合だけよ?」 固法は、花山の強さや性格を(大雑把に)把握した上で、念を押していた。 それは言われた花山自身もよく分かっていたし、その辺のチンピラ相手に自分から喧嘩を売るほど、花山は安い人間では無かった。
717: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:02:20.06 ID:ufRuGDb+0
花山「………………」 特に会話することもなく、街中を闊歩する二人。 まずはパトロールからという基本を忠実に守っているのだが、今日に限って特に事件も起こらず、別段やることもない。 固法(あ~、どうしよう……なんだか気まずいなぁ)
722: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:05:00.80 ID:ufRuGDb+0
固法「………………」 ダメだ。会話が続かない。 こうなっては、もう無理にでも仕事を作るしかない。そうでないと研修にもならないし。 固法「……それじゃ、道の掃除でも」
724: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:08:18.86 ID:ufRuGDb+0
725: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:10:42.59 ID:ufRuGDb+0
固法(同時に、そこで私が応援を呼ぶことができれば花山くんも助かる……だとすると、彼の行動は間違ってないの?) 固法は自分なりに花山薫という漢の行動原理を検証したが、実はこの時点で、花山は深くは考えていない。 ただ、強者が集まって弱者をいたぶるという行為が、花山の美学に反した。それだけのことである。
726: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:13:57.34 ID:ufRuGDb+0
花山「………………」 無論、花山にはそんなものを気取るつもりなど無い。 しかし、今の自分はジャッジメントだ。自分の考えがどうあれ、こういう輩を止める立場にある。
花山は腕章を付けていない。まだ見習いで、今だって研修中なのだから。 しかし、固法にも白井にも、こういう場面で言うべきことだけは習っていた。 不良C「なんだ、コイツ……何も喋らねえな……」
728: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:17:30.45 ID:ufRuGDb+0
固法(とにかく、応援を呼ばないと。まずはアンチスキルに) プルルル、とコール音が鳴り響く。 こんな時に限って、なかなか職員が出てくれない。 固法(もう、何のためのアンチスキルよ! さっさと出なさいよ!) 固法がイライラを募らせていると、ようやく職員が応対する。 こうしている間にも、花山は窮地に立たされているかもしれなかった。 職員『はい、こちら』
731: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:20:55.44 ID:ufRuGDb+0
開いた口が塞がらない。そんな言葉が相応しかった。 もし、電話の向こうで応対した職員が何かを叫んでいなければ、固法が即座に正気を取り戻すことはできなかっただろう。 固法(今の、何……?) 『何か』は二転三転し、道に叩きつけられた。 そこで初めて固法は、『何か』が、路地裏から吹っ飛んできた人間……スキルアウトの一人だと認識できた。 不良D「~~~ッッッ!!」
734: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:23:25.12 ID:ufRuGDb+0
735: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:26:14.58 ID:ufRuGDb+0
鉄装「スキルアウト7人……あ、もう6人でしたけど。その6人 対 喧嘩師花山薫、ですからね……」
737: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:29:06.47 ID:ufRuGDb+0
739: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:31:38.12 ID:ufRuGDb+0
744: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:34:16.04 ID:ufRuGDb+0
745: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:37:08.48 ID:ufRuGDb+0
鉄装「二人とも、なんていうんですかね……どや顔、って言うんですか? 『勝ったッ! 第一部完ッ!』みたいな」
747: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:39:40.44 ID:ufRuGDb+0
749: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:42:59.46 ID:ufRuGDb+0
753: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:45:48.54 ID:ufRuGDb+0
755: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:48:41.35 ID:ufRuGDb+0
鉄装「え? 私の対応が遅いだけ? ご、ごめんなさい……」
757: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:51:48.66 ID:ufRuGDb+0
固法「………………」 実力行使に出てもいいのは、やむを得ない場合だけ。固法にも止められたのに、花山はそれを無視した。 花山は己の信条に従って行動し、物事を解決したが、それはジャッジメントとしては不適格だと言えよう。 固法「……応援が来るまで、待てって言ったわよね」
758: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:54:39.64 ID:ufRuGDb+0
花山「…………ッッ」 御坂の見舞いに行った際には嫌というほど上条やジャッジメントの話を聞かされた花山だったが、 そこから抱く白井や初春のイメージは、ジャッジメントとしての仕事を的確にこなしている姿であった。
759: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 10:58:03.82 ID:ufRuGDb+0
花山「…………なに………ッッ」 流れ的にお咎め無しだと考えていた花山に、まさかの一言。 固法「当たり前じゃない! 下手したら傷害致死に器物破損よ!」
固法「やりすぎよ! 反省しなさい、バカ!」 第177支部に来てから、どうにもボロクソに言われる機会が増えているような気がする。
762: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/11(日) 11:00:33.65 ID:ufRuGDb+0 完ッッッ! 途中で色々アドバイスもらって助かった、ありがとうッッッ
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