『木綿のハンカチーフ』の旅立ちの日を考える
『木綿のハンカチーフ』の旅立ちの日を考える

『木綿のハンカチーフ』の旅立ちの日を考える

先日、私はYouTube動画を見ていました。たまたまそこで見かけたのは、『木綿のハンカチーフの歌詞の解釈が真っ二つに分かれる件』というタイトルの動画でした。『昭和ポップスの世界byさにー』という人の動画でしたが、現代では、この『木綿のハンカチーフ』という曲の歌詞は、そんな風に解釈できるんだなあ、と感心して私は視聴していました。 男性パートと女性パートの歌詞のかけ合いによって曲が進行していく特徴から、解釈その1「男性がひどい」と解釈その2「女性がひどい」という解釈ができるというわけです。そのキーワードとなるのが、男性パートから女性パートに切り替わる位置にある『いいえ』という言葉なのだそうです。こ…

先日、私はYouTube動画を見ていました。たまたまそこで見かけたのは、『木綿のハンカチーフの歌詞の解釈が真っ二つに分かれる件』というタイトルの動画でした。『昭和ポップスの世界byさにー』という人の動画でしたが、現代では、この『木綿のハンカチーフ』という曲の歌詞は、そんな風に解釈できるんだなあ、と感心して私は視聴していました。 男性パートと女性パートの歌詞のかけ合いによって曲が進行していく特徴から、解釈その1「男性がひどい」と解釈その2「女性がひどい」という解釈ができるというわけです。そのキーワードとなるのが、男性パートから女性パートに切り替わる位置にある『いいえ』という言葉なのだそうです。このように『ジェンダーの格差』によって、解釈が真っ二つに分かれるというのは、まさに令和の現代的な考え方だと、私は感心いたしました。さらに、解釈その3「どっちもどっち」というのもあって、「どっちが悪い、ということでもない」という解釈も成り立つというわけです。なかなか面白い内容の動画でした。 ところで、私は半世紀前ほどにこの『木綿のハンカチーフ』を日常的にテレビやラジオで視聴していました。そして、その頃10代だった私は、お風呂に入っている時にしばしばこの曲を4番まで歌って楽しんでいました。よって、その頃の私の解釈を述べてみましょう。 まず、この曲は、単純に短い手紙のやりとり、すなわち、交換日記やペンフレンド的な『お便(たよ)り』のやりとりだと、私は思っていました。『交換日記』とか『ペンフレンド(pen friend)』などと表現すると、昭和の時代の匂いがぷんぷんしてきそうな感じがします。心の中での男女の言葉のやりとりとすると、前衛的な現代文学みたいになってしまうので、昭和のただの若い男女の文通みたいなものとみたほうが自然かもしれません。 さて、もう一つ昭和の要素として欠かせないものがあります。それは、『都会と地方(田舎)の地域的格差』という問題です。都会に働きに出て金銭的かつ物質的に豊かになっていく若者と、金銭的かつ物質的に貧しくても自然に囲まれて生きていくいわゆる田舎娘との気持ちのすれ違いを描いた歌詞だと、若い私は思っていました。昭和の時代は、それほど、都会のサラリーマン社会と地方(田舎)の農村社会は、労働の所得格差がひどかった(すなわち、大きかった)のです。 そんな私は、都会(東京)で生まれ育ちました。一方、地方の親戚の家は、農家が多かったのです。そして、4年に一度くらいに、地方(すなわち田舎)の親戚の家に遊びに行きました。そこで都会と田舎の金銭的な豊かさの違いとか、あるいは、自然界に触れる機会の違いとかを実感いたしました。何でもお金で買える都会の豊かさと、お金がなくても自然の中で質素に暮らせる田舎の豊かさは、相反するものだったのです。 そのような昭和の時代に顕著だった社会的背景から、『木綿のハンカチーフ』という歌を私は解釈していたわけです。しかし、昭和から平成、さらに令和へと、『半年が過ぎ』るどころか半世紀が過ぎて、この曲を聴いて解釈する人々の世代も変わってゆきました。作品の側からみれば、この曲の歌詞自体は、「旅立って、ひとり歩きを始めた。」とも言えます。つまり、人から人へと歌い継がれて、ゆうに半世紀が過ぎてしまったとも言えます。 昭和の時代には、『泡のように、次から次へと生まれては消えてゆく芸能界』という言葉がありました。「芸能界で生まれた人や作品のほとんどは、大衆の消耗品として後世には残らない。」と、昭和の当時は一般的に見なされていました。もっとも、現在は、この『木綿のハンカチーフ』のように、そうではない作品があるのも事実です。だから、こういった作品は、旅立って、ひとり歩きを始めた作品の一つとして、これからも大事にしていきたいものです。

実は、私はつい1週間ほど前までは、この『ハナミズキ』という…

私は、今回もまた、年末の29日に、長野県から実家のある東京…

現代日本では、童謡の一つとなっている『線路はつづくよどこま…

今回は、ちょっと変わった日本語カバーに挑戦します。日本のポ…

先日たまたまテレビで『NHK歌謡コンサート』を見ていたら、…