一方に信号がない・一方に信号がある交差点と、対面青信号で通過する車両の注意義務。
以前このように、自車には対面信号があり、交差道路に信号がない場合どう考えるかについていくつか判例を挙げましたが、対面信号が青(交差道路には信号がない)の場合の注意義務の話。自車は青、交差道路は信号無し以前挙げた判例では、A車の対面信号は故障...
本件のように押ボタン式信号機の表示する青燈火信号であつても、 これに従い県道を直進する自動車運転者としては、左右道路の車両が交差点内に進入してくること明らかな場合、すでに進入している場合など所謂特別の事情の認められる場合は別として、左右道路からの横断歩行者が押ボタンを操作することにより信号の表示が変化する場合に備えて、右信号機の表示する信号に注意して運転すれば足りる 。すなわち、前示の速度と態様に従い運転している被告人としては、 特別の事情のないかぎり、左右道路からの進入車両が自車の進路を妨げることなく、また自車との衝突を避けるため、適切な措置をとるであろうことを信頼して運転すれば足り、本件の被害者のように、青燈火信号に従い通行する被告人車両を全く意に介せず横断してくる者のあることまで予測して、あらかじめ減速して左右道路から進入する車両の有無、動静を注視し、もつて事故の発生を未然に防止すべき注意義務はない と解するのが相当である。
高知簡裁 昭和45年6月8日
被害者が「横断」とあるのは、自転車だからです。 当時の歩行者用信号は自転車に対する効力がないので、被害自転車は「信号がない交差点」になりますが、対面信号が青の車両は「特別な事情がない限り」は「 左右道路からの進入車両が自車の進路を妨げることなく、また自車との衝突を避けるため、適切な措置をとるであろうことを信頼して運転すれば足りる 」。
これってより正確に言うと、横断歩道を下から上に進行する歩行者と自転車は信号規制があり、横断歩道を上から下に進行する歩行者と自転車には信号がないことになります。 だから馬鹿馬鹿しくて警察的にも注意してないけど、下から上に横断歩道を進行する歩行者と自転車に対する 信号規制を解除する法的な根拠がない 。
法と構造が不一致
注意義務としてはそれぞれ対面信号に従う、対面信号がない車両は信号がない交差点の注意義務に従うことになります。 民事もいくつか見てみましたが、東京地裁 昭和45年8月31日(民事)。
原告 被告 信号の有無 無し あり 過失 広路車妨害 信号確認義務違反 過失割合 70 30被告の過失の有無について判断する。(証拠)を総合すると、被告は加害車を運転して本件交差点に向い東進し、同交差点の西側横断歩道の手前(西方)4、50mの地点で対面する信号機が青色の表示をしているのを確認したうえ、被害車が本件交差点の北側に停止しているのを発見したこと、しかし、 被告は本件交差点にさしかかるまでの間に信号が変る可能性があつたにも拘らず、その後は慢然と信号を確認することなく、時速約50キロメートルで本件交差点に進入したため、折から右信号が黄色に変つたのをみて同交差点に入つて来た被害車に加害車を衝突させた ことが認められ、右認定に反する被告本人尋問の結果の一部は首尾一貫しないところもあり、前掲各証拠に照らして信用できず、他に右認定を左右するに足りる証拠はない。してみると被告に 信号確認義務違反の過失があつたことは明らか である。
(中略)
原告は被害車を運転して南進し、本件交差点に採近したが、自車の進行する道路(以下「甲道路」という。)と交差する道路(以下「乙道路」という。)の信号機が青色を表示していたので同交差点の北側(手前)で暫時停止していたこと、乙道路には右信号機が設置されているのに甲道路には信号機が設置されていず、乙道路の幅員が13mであるのに対し甲道路のそれが7.1mであること、同原告はその頃加害車が乙道路を東進して本件交差点に接近して来るのを発見したが、前記信号が黄色に変つたので、加害車が同交差点の手前で停止するものと軽信し、そのまま加害車の動静を注視することなく発進して本件交差点に時速約30キロメートルで進入したため、折から同交差点に前記二のとおりほぼ同時に進入してきた加害車と衝突したことが認められ、右認定に反する被告の本人尋問の結果の一部は前掲各証拠に対比して信用できず、他に右認定を覆すに足りる証拠はない。してみると、 原告の進行中の甲道路には信号機の設置がなく、 同原告にとり 本件交差点は交通整理が行われていないものというべきであるから、同原告としては明らかに広い乙道路を進行してきた被告の車の進行を妨げてはならない注意義務があるのにこれを怠つた過失があることは明らかである。 以上認定の事実に、前記二の被告の過失の態様、程度、さらには前記の加害車と被害車との車種の相違、速度の相違などを総合勘案すると、原告と被告との間の過失の割合は、同原告につき7、同被告につき3と認めるのが相当である。
東京地裁 昭和45年8月31日
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