太陽の表面温度の測定・計算の方法
太陽の表面温度の測定・計算の方法

太陽の表面温度の測定・計算の方法

太陽の表面温度の測定・計算の方法 ここで、h はプランク定数、c は光速、k はボルツマン定数である。 2hc 2 は定数なので、スペクトルの形状は 1// で決まる。 太陽光のスペクトルを測定して、それにフィッティングするような T を計算すれば太陽の表面温度が求まる。 この方法は次のような特徴がある。

ここで、h はプランク定数、c は光速、k はボルツマン定数である。 2hc 2 は定数なので、スペクトルの形状は 1// < λ 5 (e hc/λkT - 1) >で決まる。 太陽光のスペクトルを測定して、それにフィッティングするような T を計算すれば太陽の表面温度が求まる。 この方法は次のような特徴がある。 ・スペクトル強度を絶対値で測定する必要がない。波長別の相対的な強度でよい。 ・太陽光は大気や水蒸気などで一部の波長が吸収され減衰するが、フィッティング時にその帯域を無視することで影響を減らせる。

太陽と同じ色になるように基準光源の温度を調整する方法 (光高温計の原理)

これは上記のスペクトルの形状から求める方法と同じだが、スペクトルのフィッティングを人間の視覚で行う方法である。人間の目で行う零位法である。 太陽光と基準光源(電球のことが多い)の色が同じに見えるように、基準光源の温度(電球であれば電圧)を調整する。 同じに見えるようにするのは、であって明るさではない。 同じ色になった時の基準光源の温度が太陽の表面温度である。 基準光源の温度目盛りは、別の方法で校正しておく必要がある。 この方法は次のような特徴がある。 ・分光器を必要としない。 ・光高温計 単体では温度の直接測定はできず、別の方法で基準光源の校正が必要となる。

なお市販の光高温計では、太陽の温度まで測定できるものはない。 そもそも 3,000 K を超える測定用途は少ないので、他の測定方法でもほとんどない。

2波長の放射強度の比から計算する方法 (二色温度計の原理)

別に全波長のスペクトルを計測しなくても異なる 2波長の相対的な強度が分かれば、プランクの法則から絶対温度 T を計算することができる。 これが二色温度計の原理である。2色・2波長といっても線的なスペクトルでなく、それぞれある程度の帯域幅がある。 この方法は次のような特徴がある。 ・スペクトル強度を絶対値で測定する必要がない。2波長の相対的な強度でよい。 ・大気や水蒸気などで吸収される波長を避けることで、その影響を減らせる。

ピーク波長から計算する方法 (ウィーンの変位則)

プランクの法則によると、黒体放射のスペクトルはある波長でピークを持つ。 プランクの法則の式を波長で微分して、ピークとなる波長 λmax を計算するとウィーンの変位則が求まる。 λmax = b / T [m] b = 2.90 × 10 -3 [K・m]

太陽光のスペクトルのピーク波長を計測して、上式で計算すれば太陽の表面温度が求まる。 この方法は次のような特徴がある。 ・スペクトルのピーク波長だけを測定すればよい。 ・ピーク付近はなだらかなので精度がでないことがある。

スペクトルを用いない方法

全波長のエネルギーの和から計算する方法 (シュテファン=ボルツマンの法則, 放射温度計の原理)

地球に到達する太陽光のエネルギー密度を測定して、太陽の表面温度を計算する方法である。 シュテファン=ボルツマンの法則によると、絶対温度 T の黒体から放射される単位面積当たりの電磁波のエネルギー(全波長分) I [W/m 2 ] は次式となる。 I = σ T 4 [W/m 2 ]

ここで、ステファン=ボルツマン定数 σ=5.67 × 10 -8 [W/m 2 /K 4 ] である。 太陽の半径を Rsun [m] とすると、太陽全体から放出されるエネルギー E [W]は、 E = σ T 4 × 4 π Rsun 2 [W]

地球公転軌道上でのエネルギー密度 P [W/m 2 ] は、地球の平均公転半径を L [m] とすると、 P = E / (4 π L 2 ) = σ T 4 × (Rsun / L) 2 [W/m 2 ] 整理すると、 T = < (P / σ) × (L / Rsun) 2 > 1/4

この太陽の表面温度の式には、太陽の半径 Rsun と地球の平均公転半径 L が含まれている。 太陽の半径 Rsun と地球の平均公転半径 L は、直接測定しにくい値なので、これを含まない式に変形する。 太陽の視直径(直径を観測した時の角度) θ [rad] は地上から観測できる値である。

θ が微小の時、θ ≈ 2Rsun / L と近似できる。これを用いると、 T = < 4P / (σθ 2 ) >1/4

試しに P = 1.3 [kW/m 2 ], 視直径 0.5 [°] = (0.5 * π / 180) [rad] を代入してみると、T = 5890 [K] となる。 この方法は次のような特徴がある。 ・分光器を必要としない。 ・太陽光のエネルギーの絶対値の測定が必要である。 ・大気や水蒸気などによる減衰の影響は避けられない。