「デジタル警察無線受信機」が発売されない理由
世界でも高く評価されている優れた技術力を持つ日本メーカー。しかし、なぜ「デジタル警察無線が聞ける受信機」を一切発売しないのでしょうか?今回は、そんな「警察無線が聞ける受信機の問題」について解説してみたいと思います。この記事の要点 一般に市販...
前回取り上げた、音声反転型秘話機能「10番A」を搭載するアナログ無線機 MPR-10/MPR-10A は、日本の警察無線における秘話通信の実用化に向けた初期段階を象徴する装備でした。これは、警察無線が平文音声からの脱却を模索し始めた時代にお.
amateurmusenshikaku.comこの日を境に、一般人が警察無線を聞ける時代は終わったのです。
当時は、電波を受信して専用ソフトを使えば、ある程度“聞けてしまう”といった抜け道が存在していたのですから。
警察無線が“未来永劫”聞けない理由は二つ
ところが、現時点では技術以外の障壁があります。
1. 「解読は違法?」──2004年、電波法に“法の壁”ができた理由警察無線のような暗号化された通信を意図的に傍受できる機器を販売・所持することは、違法となる可能性が非常に高いのです。
それは、「暗号化された通信の内容を解読することを禁止する」という内容を盛り込んだ、電波法第109条の2の新設です。
電波法第109条の2
第百九条の二 暗号通信を傍受した者又は暗号通信を媒介する者であつて当該暗号通信を受信したものが、当該暗号通信の秘密を漏らし、又は窃用する目的で、その内容を復元したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 2 無線通信の業務に従事する者が、前項の罪を犯したとき(その業務に関し暗号通信を傍受し、又は受信した場合に限る。)は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。 3 前二項において「暗号通信」とは、通信の当事者(当該通信を媒介する者であつて、その内容を復元する権限を有するものを含む。)以外の者がその内容を復元できないようにするための措置が行われた無線通信をいう。 4 第一項及び第二項の未遂罪は、罰する。 5 第一項、第二項及び前項の罪は、刑法第四条の二 の例に従う。
出典 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000131#Mp-Ch_9-At_109_2-Pr_2
- 暗号通信を傍受したり媒介した者が、
- 秘密を漏らしたり、勝手に利用(窃用)する目的で内容を復号(デコード)した場合は、
- 1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される(業務従事者の場合はさらに重くなる)。
- しかも、その「未遂」でも処罰される。
しかし──最終的に違法かどうかを判断するのは、捜査機関や裁判所です。
たとえPCや解析プログラムを使って警察無線を“聞こう”としただけでも、違反に問われる可能性が高い。
2. メーカーとしての矜持(きょうじ)「そんなのあなたの憶測じゃないの?」──いいえ、メーカーと総務省が警告しています
今のアナログのような感覚で受信できるレシーバーはありません。警察や消防のような無線は、製造に必要な部品の入手、秘話コードや運用形態が高いセキュリティレベルで守られており、仮に受信機だけを手に入れたとしても、通信を聞くことはできません。
また、デジタル秘話化された無線通信をデコードすることは電波法に違反し罰則がありますから、そのような装置をまともなメーカーが一般向けとして製造販売することもあり得ません。
引用文献 アルインコ株式会社公式サイトhttps://www.alinco.co.jp/faq/contents_type=322#F20171115001
だからこそ、たとえ需要があっても──「警察無線や消防無線のデジタル無線を解読できる受信機」など、まともなメーカーは絶対に世に出してこないのです。
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