【MRI画像あり】チョコレート嚢胞の症状・診断・治療法まとめ!
チョコレート嚢胞(のうほう)という卵巣の病気があります。チョコレートと聞くと美味しそうな感じですが、このチョコレートというのは卵巣に溜まった血液の色がチョコレートのような色であるためこのように呼ばれます。そして、名前とは …
中でもMRIは磁場を用いた検査であり、チョコレート嚢胞の本態である鉄イオンを含む出血の診断に有用です。典型的には、MRIの 脂肪抑制のT1強調像で高信号を示す嚢胞が多発 し、T2強調像ではその嚢胞に低信号を認めます。T2強調像での低信号はshading(シェイディング)とも呼ばれ、繰り返す出血により濃縮した粘稠度・タンパク濃度の高い血腫を反映するとされます。さらにMRIでは、卵巣だけでなく、骨盤内の他の部位の子宮内膜症の描出にも有用です。
症例 40歳代 女性T1強調像で、両側の卵巣に高信号を認めています。T2強調像ではshadingを示唆する低信号を認めています。脂肪抑制のT1強調像でこれらは抑制されておらず、脂肪ではなく血腫と診断できます。このMRIの画像から、両側のチョコレート嚢胞(内膜症性嚢胞)と診断することができます。
症例 20歳代 女性 右下腹部痛右下腹部痛に対して、妊娠の可能性がないことを問診の上、腹部造影CTが撮影されました。その横断像(輪切り)です。骨盤内のやや真ん中よりやや右側(向かって左側)に多房性嚢胞性病変を認めます。 CTを冠状断像(前から見た画像と考えてください)で観察すると子宮の上側に存在することがわかります。また左の卵巣も確認できます。これだけでは、チョコレート嚢胞の可能性はあっても確定できません。 再び横断像ですが、よく見てみると腹水が貯留しやすいダグラス窩には腹水貯留を認めていないのに、子宮の前に腹水が貯留しています。可能性として、子宮内膜症により直腸と子宮の間に癒着を生じ、いわゆるダグラス窩閉鎖をきたし、腹水の分布が通常と異なる可能性があります。MRIが撮影されました。 上の画像は脂肪抑制T1強調像です。右の嚢胞は非常に高信号(白い!)で、チョコレート嚢胞であったことがわかります。さらに左にも小さなチョコレート嚢胞があることがわかります。さらにT2強調像の矢状断像を見てみると次のようです。 直腸と右のチョコレート嚢胞との間に癒着があることがわかります。これにより、ダグラス窩閉鎖をきたし、先ほどのCTで見たような通常と異なる腹水の分布をしてしていたことがわかります。骨盤に生じた内膜症ですので、骨盤内膜症と呼ばれます。両側チョコレート嚢胞(内膜症性嚢胞)+骨盤内膜症 と診断されました。
チョコレート嚢胞の治療法は? チョコレート嚢胞はどのように治療するのですか? 手術療法と薬物療法があります。 治療方針は以下の事柄を総合的に判断して決定します。 薬物療法- 痛みを和らげる
- 病巣を小さくする
- 術後の再発を抑制する
- 妊娠する確率を上げる
- 子宮内膜症の再発予防と進行を遅らせる
チョコレート嚢胞は薬物療法だけで根治させることは困難とされています。そのため手術療法を組み合わせたり、不妊治療を組み合わせたりするなどしてその人に合った最適な治療法を行います。薬には 痛みを和らげる薬 と エストロゲン分泌を抑える薬 があり、症状によって使い分けます。
痛みを抑える薬- NSAIDs
- メフェナム酸
- イブプロフェン
- ジクロフェナクナトリウム
- ロイコトリエン受容体拮抗剤
- 低用量ピル
- ジエノゲスト(黄体ホルモン)
- GnRHアゴニスト
- ダナゾール
と選択されます。 チョコレートのう胞の手術療法についてはこちらにまとめました。→チョコレート嚢胞の手術まとめ〜費用・時間は?術後は自然妊娠できる? 参考文献:病気がみえる vol.9:婦人科・乳腺外科 P120 婦人科・乳腺外科疾患ビジュアルブック P156産婦人科の画像診断 P568-569
まとめ 今回のお話しをまとめます。- チョコレート嚢胞とは子宮内膜症の病態の1つ
- チョコレート嚢胞は卵巣に出来る
- 症状は月経痛や骨盤痛、性交痛、不妊や不正出血などである
- 嚢胞の原因は子宮内膜のような組織が卵巣内で増殖するために起こると考えられている
- 時に悪性化することもある
- 治療法は薬物療法と手術療法がある
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