セラミックの電気的性質〜半導体と絶縁体〜
セラミックはその電気的性質を利用して、半導体、絶縁体材料として多くの製品に使用されています。今回はその特徴と代表的な応用例について説明していきます。
多くのセラミックでは不純物のドープや不定比性によって半導性を生じます。具体的な材料としては TiO2, ZnO, CdS, BaTiO3, Cr203, SiC などがあります。近年では、半導性をもつセラミックスは非常に多くの製品に用いられています。例えば、Cu2Oは交流を直流に変換する整流器に使われています。また、半導性を持つスピネル型化合物(Fe304など)に、絶縁性を持つスピネル型化合物 (MgAl204, MgCr204, Zn2TiO4など)を固溶させて特性を上手く制御した材料は、サーミスター等に用いられています。また、SiC に不純物をドープした半導体材料は抵抗加熱素子として広く使われています。SiCの比抵抗と断面積を上手に選択することにより、室温から1500℃までの温度帯で様々な用途に使用することができます。大型のヒーターは工業用の電気炉に、小型のガス点火器は衣類乾燥器やガスコンロの口火の代りに使われています。
さらに、導電性のない材料に導電性や半導性を持った材料を混合することによって、他の性質をそれほど変化させることなく半導性を制御することも可能です。例えば、Si3N4などは、SiCを加えることで抵抗値が大きく変わります。Si3N4に40%のSiCを加えることで、導電率は10 10 程度まで上昇します。
絶縁体
https://konju-ceramic.com/electrical-property-1/でも説明しましたが、ほとんどの純粋な酸化物や珪酸塩セラミックスは優れた絶縁体 (insulator) です。セラミックはその絶縁性と化学的に不活性で高温でも安定的な特性から多くの製品で使用されています。しかしながら、同じ絶縁体でも用途が違えば要求される性質も異なります。
自動車のエンジンに使用されているスパークプラグにもセラミックの絶縁材料は使用されています。スパークプラグには数千Vの電圧が毎秒 20〜50 回繰り返し印加されます。その印加の際には約10 MPa の圧力パルスと2400°Cの燃焼温度からの熱放射を受けるため、非常に高い耐久性が必要になります。スパークプラグの絶縁体は高アルミナ質磁器でつくられており、非常に高い電気抵抗をもっています。