【基本】仮説検定
ここでは、正規分布を用いて仮説検定を行う方法を見ていきます。仮説検定【基本】仮説検定の考え方では、仮説検定の考え方や流れを見ました。ここでは、今までに学んだ正規分布を用いて、仮説検定についてもう少し詳しく見ていきます。例
もし、 $p=\dfrac$ だった場合に、720回サイコロを振って1の目が150回出る確率がどうなるかを求めてみましょう。1の目が出る回数を $X$ とすると、 $X$ は二項分布 $B(720,\frac)$ に従います。この期待値と標準偏差は \begin m&=&720\times\frac=120 \\[5pt] \sigma&=&\sqrt=10 \\[5pt] \endとなります。なので、\[ Z=\frac \]とすれば、 $Z$ は近似的に標準正規分布に従うことになります。正規分布表から\[ P(-1.96 \leqq Z\leqq 1.96) \fallingdotseq 0.95 \]なので、\[ Z\leqq -1.96,\ Z\geqq 1.96 \]は $0.05$ 程度の確率でしか起こらないことになります。
ここで、 $Z=1.96$ とすると、 \begin Z &=& 1.96 \\[5pt] \frac &=& 1.96 \\[5pt] X &=& 120+10\cdot 1.96 \\[5pt] &=& 139.6 \\[5pt] \endとなります。つまり、 $X\leqq 100.4$ または $X\geqq 139.6$ となる確率は 0.05 以下だということです。150回出たということは、もしサイコロが正確だとすると、すごくレアなことが起こった、ということになります。
ここまでの計算を受けて、 $p=\frac$ と仮定すると、すごくレアなことが起こった、ということになってしまうので、このことから仮説が間違っていたと判断します。つまり、このサイコロは正確ではなさそうだ、と判断する、ということです。
仮説検定に関する用語
正しいと主張したい内容(上の例では $p\ne\frac$ のこと)を否定した仮説を考えました。この仮説のことを、帰無仮説(null hypothesis) といいます。これは最終的に捨てたいものなので、このような名前がついています。一方、本来主張したい内容の方は、対立仮説 といいます。基本はこの対立仮説が重要になります。
先ほどは、確率が0.05以下という状況を「レアなことが起こった」と考えたわけですが、この判断に使う水準のことを、有意水準 といいます。「有意」とは、偶然とは考えられないこと、何か意味があると考えられることを指します。
最後に、仮説が正しくないと判断しましたが、このように判断することを「仮説を棄却(ききゃく)する」といいます。確率変数の値の範囲で、「この範囲に入ったら仮説が棄却される」という範囲のことを、棄却域 といいます。
仮説検定仮説検定は以下の流れで行う。 1. 母集団について、帰無仮説をたてる。 2. 有意水準を定め、棄却域を求める。 3. 標本の値が棄却域に入れば帰無仮説を棄却する。棄却域に入らなければ棄却しない(帰無仮説は正しいとも誤りともいえない)。