二段滴定(原理・例題・計算問題の解き方など)
はじめに 【プロ講師解説】このページでは『二段滴定(原理・例題・計算問題の解き方など)』について解説しています。 二段滴定とは 2価の酸や塩基には中和点が2個あることを利用した中和滴定を二段滴定という。 今回は二段滴定について、比較的簡単な
炭酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合溶液がある。まず、混合溶液20mLにフェノールフタレイン(変色域:pH 8.3〜10)を加え、0.10mol/Lの希塩酸で滴定したところ、終点までに30mLの希塩酸を要した。次に、この滴定後の溶液にメチルオレンジ(変色域:pH 3.1〜4.4)を加え、同じ希塩酸で滴定を続けたところ、終点までにさらに10mLを要した。最初の時点で混合溶液に含まれる炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムのモル濃度(mol/L)を、それぞれ求めよ。
(1)一回目の中和点までに起こる反応の化学反応式を書け。
- 第一段階で起こる反応は次の2つである。
\[ \mathrmCO_ + HCl → NaHCO_ + NaCl \cdots (2) >\]
- 第一段階の2つの反応は「NaOHとHClの反応」が先に起こる。これは(NaOHが電離して生成する)OH ー と(Na2CO3が電離して生成する)CO3 2ー を比較して、OH ー の方が(HClが電離して生成する)H + を受け取りやすいからである。
(2)二回目の中和点までに起こる反応の化学反応式を書け。
\[ \mathrm + HCl → NaCl + H_CO_(H_O + CO_) \cdots (3)> \]
(3)最初の時点で混合溶液に含まれる炭酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムのモル濃度(mol/L)を、それぞれ求めよ。
- 問題文で与えられている数値を上の滴定曲線に当てはめると次のようになる。
- 混合溶液中のNaOHのモル濃度をc(mol/L)とし、(1)式のNaOHとHClについて中和計算をすると次のようになる。
- また、混合液中のNa2CO3のモル濃度をc'(mol/L)とし、(2)式のNa2CO3とHClについて中和計算をすると次のようになる。
二段滴定まとめ
- 2価の酸や塩基には中和点が2個あることを利用した中和滴定を 二段滴定 という。
- 高校化学では「炭酸ナトリウムNa2CO3の塩酸HClによる二段滴定」と「炭酸ナトリウムNa2CO3と水酸化ナトリウムNaOHの混合液の塩酸HClによる二段滴定」が頻出である。
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著者情報
元講師、薬剤師、イラストレーター 数百名の中高生向け指導経験あり(過去生徒合格実績:東工大・東北大・筑波大・千葉大・岡山大・早稲田大・慶應義塾大・東京理科大・上智大・明治大など)。 2014年よりwebメディア『化学のグルメ』を運営 公式オンラインストアで販売中の理論化学ドリルシリーズ・有機化学ドリル等を執筆