安行原の蛇造り|川口市安行原の名所旧跡
安行原の蛇造り|川口市安行原にある安行原の蛇造りの概要、由緒や文化財を新編武蔵風土記稿などを交えて紹介。無病患災と豊作を祈って江戸時代中期より続く行事
安行原の蛇造り この祭りは、毎年五月二十四日に行われ、五穀豊穣・天下泰平・無業息災などを祈願するため、長さ約一〇メートルの蛇をつくることから始まる。 午後三時頃、出船のドラに似た鐘の音を合図に安行原のうち、清水、半縄、向原、中郷の四つの字の村人が藁をもち集まってくる。 先ず、この一年間欅の大木につけられていた蛇をおろし、次に各人がその蛇をみながらそれぞれ協力して昨年と同様な蛇のかたちをつくりあげていく。大蛇の頭部は、木の枝で枠をつくってこれに藁を編み合わせたものを二組つくり、それらを重ね合わせて片方が上下に開くようにする。これが大蛇の口であり、その中に舌をつけ、密蔵院の住職によって書かれた祈願文をしっかりと結びつけ、耳、鼻、ひげ等が順次編まれて、これらを所定のところにつけて蛇の頭ができあがる。 次に、胴は藁をねじりながら三つ編みにして約一〇メートルの長さにつくり、最後に頭や胴等が全て組み合わされて蛇造りが終わる。 出来あがると、大欅の股のところに頭を、胴を幹に巻きつけて安置し、百万遍の行事を行って、この祭りは終る。(埼玉県掲示より)
「埼玉の神社」による安行原の蛇造りについて九重神社<川口市安行原二〇四二(原字久保)> 大字の中は六区に分かれるが、そのうち中郷・半縄・小清水・向原の四区の旧家の人々を中心として五月二十四日に行われる市指定無形民俗文化財の「蛇造り」は有名な行事である。 この「蛇造り」は、字向原のジガケという場所にある樹齢六〇〇年を超える欅の大木に、藁蛇を作って一年間掛けておくものであるが、藁蛇といっても、長さ一〇メートル以上、重さ二〇〇キログラム以上という巨大なものであるため、造るだけでも半日がかりである。蛇が完成し、欅に掛けられると、残った藁を集めて焚き、その火を囲んで大数珠を引っ張り合う「百万遍」を行い、最後に手締めをして行事を終える。 言い伝えによれば、「蛇造り」は無病患災と豊作を祈って江戸時代の中期に始められたもので、大正時代に一時中止したところ赤痢が大流行したので、以後は戦時中といえども欠かさず続けられてきた。現在は秋田操を会長とする「蛇造り保存会」の会員約四〇名によって継承されているが、近年では新住民も関心を持って行事を見に来るため「蛇造り」は新旧住民の交流の場にもなっている。(「埼玉の神社」より)