【五月雨を集めてはやし最上川】俳句の季語や意味・表現技法・作者など徹底解説!!
【五月雨を集めてはやし最上川】俳句の季語や意味・表現技法・作者など徹底解説!!

【五月雨を集めてはやし最上川】俳句の季語や意味・表現技法・作者など徹底解説!!

俳句とは、5・7・5の3句17音からなる、日本独自の定型詩のことです。 俳句は現代でも、お年寄りからお子さんまで、非常に多くの人が詠み、親しみながら楽しんでいますね。 今回は松尾芭蕉の有名な俳

五・七・五の十七音に四季を織り込み、詠み手の心情や情景を詠みこむ俳句。 名句と聞くと、の作品を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 秋田便の飛行機から見る月山が好きです。 今日は残念ながら雲に隠れていましたが、松尾芭蕉の句を思い出しました。 雲の峰 いくつ崩れて 月の山 pic.twit.

季語

こちらの句の季語は 【五月雨(さみだれ)】 です。

そのため、この俳句の季節は 【初夏】 になります。

意味

こちらの句を 現代語訳 すると・・・

「梅雨の雨 ( さみだれ ) が最上川へと流れ込んで水かさが増し、危険なほどに流れがはやくなっていることだ。」

最上川とは山形県内に流れる大河川で、 日本三大急流と呼ばれるほど流れの早い川のこと です。

この句が詠まれた背景

この「五月雨を 集めてはやし 最上川」という句は、松尾芭蕉が執筆した 紀行文『おくのほそ道』の中におさめられている一句 です。

なんとこの句は、雨による増水で流れが急になっている最上川の様子を詠んだものではなく、 松尾芭蕉が実際に雨で増水した最上川を川下りした経験を詠んだもの です。

また、この句は 「五月雨を 集めて涼し 最上川」 という句が元で、最上川の船町・大石田という地域で行われた句会で詠まれたものでした。

意味は「暑い 7 月に、梅雨を集めたような最上川から吹いてくる風が涼しいことだ」というもので、 とても優雅で風流な句 でした。

「五月雨を集めてはやし最上川」の表現技法

体言止め「最上川」

体言止めとは、俳句や和歌などを詠む際、 語尾を名詞・代名詞で止める表現技法のこと です。

体言止めを使用することで、 句にリズムが生まれ、俳句がより印象的なものになります。

体言止めが使用されている有名な俳句は他にもたくさんあり、正岡子規の【柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺】などもその一つです。

擬人法が使われている

この句は、 「最上川」に擬人法を使ったもの だと言われています。

なぜなら、 川は実際には「雨を集めている」わけではないから です。

「五月雨を集めてはやし最上川」の鑑賞文

この句を読むと、「急流で川下りなんて危険なのでは…」と思ってしまいますが、ただ風景を見たまま詠むのではなく、 自然に直接触れ合った感覚を俳句にする という松尾芭蕉の俳人としての気概に感服してしまいます。

自然のありのままの様子を表したこの方法を、今では 「写実的表現」 と言います。

「五月雨を集めてはやし最上川」の補足情報

最上川の難所

『おくのほそ道』に収録する際に「涼し」から「はやし」に変えた理由として、 川下りを体験したから という理由があります。この時のことを芭蕉は、「最上川」の項目で、以下のように語っています。

「最上川はみちのくより出でて、山形を水上とす。碁点・隼などいふおそろしき難所あり。板敷山の北を流れて、はては酒田の海に入る。左右山覆ひ、茂みの中に船を下す。これに稲つみたるをやいな舟といふならし。」

現在では、芭蕉が挙げた「碁点」「隼」の他に「三ヶ瀬」を入れて、 最上川の三大難所 と呼ばれています。

「碁点」は碁石のように岩が点在している場所で、 船が転覆しやすい場所 でした。「三ヶ瀬」は文字のとおり、 3 箇所の瀬のような岩が連なっていて、通行するのに座礁しやすい場所です。

最上川と歌枕

上記の『おくのほそ道』で、芭蕉は 「稲舟」 というものに触れています。

脈絡もなく出てきたように思えますが、最上川といえば 稲舟という歌枕が平安時代に成立していた のです。

「最上川 のぼればくだる 稲舟の いなにはあらず この月ばかり」

この和歌では「いな」という音を詠むために三句目まで使用していますが、当時から最上川といえば 稲を運ぶ舟 が連想されていたことがわかります。

実は最上川に急流というイメージがついたのは、 芭蕉の「五月雨を」の句以降 とされています。

五月雨と最上川を組み合わせた和歌は 兼好法師が詠んでいる ので、芭蕉はその和歌も念頭に置いていたのかもしれません。

「最上川 はやくぞ増さる 雨雲の のぼればくだる 五月雨のころ」

この句の作者「松尾芭蕉」の生涯を簡単に紹介!

松尾芭蕉は、 江戸時代前期に活躍した俳諧師(はいかいし) です。

45 歳になると弟子の 河合會良(かわいそら) とともに、「おくのほそ道」の旅を始め、 150 日間かけて約 2400 ㎞もの距離を歩いたと言われています。

旅先にて 50 歳で亡くなると、松尾芭蕉の葬儀には 300 人もの弟子が参列したそうです。

多くの人に慕われ、高い芸術性で俳諧の文化を発展させていった松尾芭蕉。 その功績は高く評価され、後の時代の人々から「俳聖」とまで呼ばれるようになりました。

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  • 1 「五月雨を集めてはやし最上川」の季語や意味・詠まれた背景
    • 1.1 季語
    • 1.2 意味
    • 1.3 この句が詠まれた背景
    • 2.1 体言止め「最上川」
    • 2.2 擬人法が使われている
    • 4.1 最上川の難所
    • 4.2 最上川と歌枕

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