ビニ本とは? わかりやすく解説
ビニ本とは? わかりやすく解説

ビニ本とは? わかりやすく解説

ポルノグラフィなどで、立ち読みなどで中が閲覧できないようにビニールで包装されているもの。Weblio国語辞典では「ビニ本」の意味や使い方、用例、類似表現などを解説しています。

ビニ本のルーツは、1960年代末年頃より大人のオモチャ屋や通販などで流通していた「グラフ誌」と呼ばれるエロ雑誌にある [3] 。当初は海外ポルノの流用が主流だったが、次第に日本人女性の撮り下ろしへと変わっていった。当時からポリエチレン製の袋に入っていたため「袋物」「ビニール本」などと呼ばれたが、当時は海外輸入物(洋ピン)の雑誌のモデルの局部に対しても執拗な修正が施してあるなど、それほど露出度が高いわけでは無かった [4] 。

ブーム初期

ビニ本ブームの発祥の地は神田神保町の芳賀書店とされる [5] 。芳賀書店のエロ本コーナーの売れ行きが良かったため、エロ本コーナーの拡大に際して立ち読み禁止の為にエロ本にポリ袋をかけたところ、客の回転率が跳ね上がった [1] 。そこで1979年、ビニ本に特化した支店である「芳賀書店 神田古書センター店」を開店したところ、ニュースや雑誌にも取り上げられるほどとなり、一躍ビニ本がブームとなった。もともと芳賀書店は、古書の街・神保町という一等地に店を構え、書籍販売業よりも学術書などの出版業をメインとしていたが、経営難のために成人向け雑誌をビニール袋に入れて販売するようになると年商が3億を超え、その金で本社ビルを新築するほどであった [1] 。1981年には、「ツービート」として人気絶頂期のビートたけしも『俺は絶対テクニシャン』で「うーん、ビニ本!」「芳賀書店!」と叫び、「週刊少年マガジン」で連載中の『1・2の三四郎』(1981年度講談社漫画賞少年部門受賞)でも主人公が芳賀書店で大量のビニ本を購入する姿が描かれるなど、1981年当時は広く人口に膾炙していた。神田古書店街の多くの古書店と特価本卸がビニ本屋に鞍替えし、神田神保町はビニ本の聖地となった。

ビニ本ブームの影響で、それまで隆盛していた自販機本はビニ本に押されるようになり、1980年頃を最盛期として [6] 、衰退の道へと入る [5] 。自販機本は、表紙と数枚のグラビアが多少エロい他はサブカル色が強い内容だったりと、エロ目的で読んだ人はがっかりする場合が多かったのに対し、ビニ本は価格が2000円くらいと、自販機本よりかなり高価だったが、露出度が高く、質が高かった。

ビニ本は次第に露出度を高め、過激さを増した [1] 。当初は墨でのベタ塗りによる消しであったが、ショーツの布地を一枚にすることで下着の向こうがうっすらと透けて見える「スケパン」の手法が1980年に開発された [7] 。1980年代当時の日本では陰部よりも「陰毛ヘア)」が猥褻の基準であると考えられていたため [8] 、うっすらでも「陰毛」が見えるビニ本は当時の青少年にとって衝撃的であった。モデル女性が着用した下着は当初、陰部がやや透けて見えるか見えないかの程度であったが、次第に下着の透明性が増していき、あるいは下着に代えて極薄のレース布を軽く被せて済ませたり、下着を着けずにパンティストッキングを直穿きさせたりするなど、ヘアのみならず女性器・陰部までが透けて見えるようになった。このような書籍がビニール袋に入れて公然と書店で販売されるようになったことから、警察に目を付けられ、1980年には芳賀書店の芳賀専務が逮捕されるなど、摘発が相次ぎ、1982年には第1次ビニ本ブームは終息する [9] 。

ブーム後期

裏本に対抗するかのように、1983年には露出度を高めたビニ本である「ベール本」が登場した。ベール本は局部を薄いベールで覆っただけで、性器の形状がはっきりと見えており、ほとんど無修正と変わらなかったので、当時の青少年にとっては強烈だった [7] 。この時期が第二次ビニ本ブームである [7] 。

裏本は「カラミ」のある本が多かったのに対し、ビニ本は裸体の女性が単独で大開脚などのポーズを取るスタイルのものが多かった。ビニ本は露出度を高めると同時に、官能的な雰囲気を演出していた [4] 。股間を見せるだけでお金になるというので、モデルになる女性を探すのに苦労はあまりなかったらしい [5] 。それで、たくさん出版された。ビニ本はA4判52ページが主流であった。

衰退

1984年頃より、裏本を流用したビニ本が流通し始めた [4] 。これは「スミベタ本」 [11] と呼ばれ、裏本の版に黒色の修正印刷が上書きされたものであり、裏本の表バージョンとでもいえるものであった。こちらも当初はかなり広い範囲まで真っ黒の修正印刷がかかっていたが、やがて修正範囲がぎりぎりまで狭められるとともに薄い灰色の修正に変わっていき、男女性器の結合部分が透けてみえるようになっていった。この頃になると、ビニ本は裏本を流用した「スミベタ本」か、既刊本を流用した「再生本」ばかりとなり、新刊はほとんどなくなっていった。

その後 現在

まぎらわしいもの

裏本 自販機本

関連する文献など

脚注

  1. ^ abcdef “禁断のビニ本、発祥の店はいま・・・月130万冊発行した時代も”. withnews(ウィズニュース) (2015年4月20日). 2022年5月28日 閲覧。
  2. ^ 本橋信宏『新・AV時代 全裸監督後の世界』(2021年、文藝春秋・文春文庫)12‐13頁
  3. ^ 『日本昭和エロ大全』2020年、辰巳出版、安田理央、p.10
  4. ^ abcde昭和男子を熱狂させたビニ本の歴史を貴重画像と共にプレイバック ~ビニールに包まれた裸の美少女モデルたち - メンズサイゾー
  5. ^ abcdefスケパンの大股開きが…「ビニ本」がウケた時代 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)
  6. ^ 『日本昭和エロ大全』2020年、辰巳出版、安田理央、p.11
  7. ^ abcd 『日本昭和エロ大全』2020年、辰巳出版、安田理央、p.34
  8. ^ 『日本昭和エロ大全』2020年、辰巳出版、安田理央、p.25
  9. ^ 『日本昭和エロ大全』2020年、辰巳出版、安田理央、p.23
  10. ^ビニ本業界が編み出したさらなる過激路線「ベール本」の中身 NEWSポストセブン
  11. ^ 『ヘアヌードの誕生』安田理央
  12. ^ 昼間たかし (2019年10月23日). “【吾妻ひでおさん追悼】変質者、ロリコンが生み出したオタク文化 『改訂版 ロリコン大全集』を読む”. おたぽる. サイゾー. 2022年5月28日 閲覧。
  13. ^“児ポ販売で「湘南堂書店」摘発の神保町古書店街は“治外法権状態”だった? 警察官や政治家関係者も……”. 日刊サイゾー (- エキサイトニュース社). (2018年2月25日) . https://www.excite.co.jp/news/article/Cyzo_201802_post_152464/ 2022年5月28日 閲覧。
  14. ^“古書店「まんだらけ」の社長ら書類送検 性的な「ビニ本」販売の疑い”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2022年5月27日) . https://www.asahi.com/articles/ASQ5W3PSZQ5WUTIL008.html 2022年5月28日 閲覧。
  15. ^“まんだらけ「ビニ本」販売騒動に謝罪 取り扱い説明で“裏本”販売報道は否定「非合法な本の扱いはしておりません」”. ORICON NEWS (oricon ME). (2022年5月27日) . https://www.oricon.co.jp/news/2236485/full/ 2022年5月28日 閲覧。

関連項目

  • 春画
  • 成人向け雑誌
  • エロ本
  • 裏本
  • 自販機本
  • アダルトビデオ
  • 裏ビデオ(裏DVD)
  • 小林脳行 - 同社で発売されていた洗剤のなかに同名の商品がありとばっちりを食う形で発売中止になった。
  • 武田鉄矢・谷村新司 - ニューミュージック界の二大ビニ本マニアとして知られる。
  • 村西とおる - 1983年から北海道全土に「北大神田書店グループ」というビニ本一大チェーン店を展開し、代表を務めていた。
  • ビニール本事件
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