回転行列とは~定義・求め方・性質~
回転行列とは~定義・求め方・性質~

回転行列とは~定義・求め方・性質~

R^2上の点(x,y)を原点を中心に反時計回りにΘだけ回転させるのに対応する行列を「回転行列 (rotation matrix)」といいます。この行列について,定義と求め方,性質をわかりやすく紹介します。

\beginR_ \begin x \\ y \end &= \begin r\cos\varphi\cos\theta-r\sin\varphi\sin\theta \\ r\cos\varphi\sin\theta+r\sin\varphi\cos\theta \end \\ &= \begin r\cos(\varphi+\theta) \\ r\sin(\varphi+\theta) \end \end

回転行列の求め方(覚え方)

回転行列を忘れてしまったときは, \begin 1 \\ 0\end, \begin 0 \\ 1\end の回転を考えることで,復元してあげればよい です。 これらを \theta だけ回転すると,

であることに留意して, R_\theta = \begina & b \\ c& d \end に代入すると,

\begina & b \\ c& d \end = \begin\cos \theta & -\sin \theta \\ \sin \theta & \cos\theta \end

また,複素数と実行列は a+bi \leftrightarrow \begina & -b \\ b& a \end という対応関係があります(→複素数と行列の対応関係を考えよう)。これを知っていれば,

e^=\cos\theta +i\sin\theta\leftrightarrow \begin\cos \theta & -\sin \theta \\ \sin \theta & \cos\theta \end =R_\theta

ですから, 回転行列と,複素数における回転が対応関係にある ことが分かります。

回転行列の性質

定理(回転行列の性質)

R_\theta = \begin\cos \theta & -\sin \theta \\ \sin \theta & \cos\theta \end とすると,以下が成立する。

証明は,三角関数の加法定理などを用いながら,ひとつずつ丁寧に確認していけば分かるため,省略します。それよりも, イメージを持つことが大切 です。

たとえば, 2n\pi だけ回転させると,元の位置に戻ってきますから,それは恒等写像に相当する単位行列になります。 (2n+1)\pi 回転させると,元の位置に対して,原点対称な点になりますから,符号が変わって -I になります。

3.について, \alpha+\beta 回転は, \alpha 回転してから \beta 回転したり,あるいは \beta 回転してから \alpha 回転しても同じですから,成立します。

4.については, \theta 回転の「逆」は, -\theta 回転ですから, R_^ =R_ が成立し,さらに直交行列になることが示せます。直交行列とは,内積を変えない行列です(→直交行列の定義と性質10個とその証明)。

\| R_\theta \boldsymbol\| = \|\boldsymbol\|

回転行列と線形写像

回転による写像 f_\theta は f_\theta \colon \mathbb^2\to \mathbb^2 の線形写像 です。その線形写像の基底 \boldsymbol=\begin 1 \\ 0\end, \; \boldsymbol=\begin 0 \\1 \end に対する 表現行列が R_\theta になっています。実際,

\beginf_\theta(\boldsymbol) & f_(\boldsymbol) \end= \begin \boldsymbol & \boldsymbol \endR_\theta

表現行列(線形写像の行列表示)は,以下で解説しています。

【表現行列】線形写像の行列表示を詳しく mathlandscape.com

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