【映画】『竜とそばかすの姫』を観てきたよ【感想】
珍しい週2更新...(夏なので) なんだか感染者数が大変なことになってますが皆様いかがお過ごしでしょうか。夏休みに久々に都心に出たので、映画館で映画を堪能してきました。
★回想シーンで周りから勧められたすずちゃんが『<U>』を始めるシーンがありますが、ITエンジニア目線から見てもこのシーケンスが面白い。最初にハンドルを入れて、写真の中の顔を自動判定して、AIがランダム演算してアバターの<As>のデザインを自動生成して. の流れがいかにもそれっぽく、あ〜もう少し技術が進んだらこういうアプリ実現できそうだな. という感覚に満ちています。 ワイヤレスイヤホン的なデバイスも耳につけるスタイルなんですね。耳から生体情報の何が得られるのってあたりは嘘テクノロジーですが、このへんもそれっぽさに満ちています。生体情報で認証するから一人複数垢は無理という理屈もそれっぽい。 ソードアート・オンラインみたいなフルダイブRPGもきっともうすぐ実現するんや.
★『<U>』の中は架空っぽさに満ちた未来のテクノロジーですが、作中の現実シーンではiPhoneが完全に複眼カメラまでそのまま出てきたり、パソコンの画面やアプリのメニュー類、即座にスマホでググる動作など、『サマーウォーズ』の頃に比べてもだいぶ現実に合わせてきたなという印象。 また『<U>』の中で多数のテキストメッセージが流れるシーンがけっこうあるのですが、これが日本語以外もかなり多数描写されていてグローバルな感じがよく出ています。さすがアカウント50億突破のサービスです。 2021年の現実世界でFacebookのユーザ数が27.4億、世界人口が78億だそうなのでそう考えるとすごいですね。これは既にGAFA四騎士を超えちゃってる! (なおどこの会社がやってるかとかの話は出てきません)
- すずちゃん:ベル。綴りは途中からBelle、フランス語の「美人」や「若い女」。原典の『美女と野獣』のヒロインと同名。カンヌで受けそう。
- 眼鏡女子ハカーのヒロちゃんP:キョンシーみたいな面白マスコット的なやつ。プロデューサーとして有能。ベルのそばでいつも騒いでいるのですぐ分かる。
- 学園アイドルのルカちゃん:アバターでもサックスを持っている。1シーンぐらい映る。
- 合唱隊のマダム5人:アバターが常に5人並んで映るシーンが複数あるので分かる。5人とも本体と共通点がある。
- クリオネと竜:作品の中核に関わるので(ry
- カヌー男子のカミシン:アバターでも漕ぐときのアレを持っている(自分は見落としました. )
- イケメン男子のしのぶくん:実は描写なし。
実はイケメン氏は不明! 真にデキるイケメンは女子の争いを避けるためにSNSをしないのか . ネットの考察を見ていたらベルのステージを盛り上げている謎の音響付きクジラがしのぶくんのアバターではという説があって、そういう解釈もあるのねと思いました。 まあ大きく出てくる『バケモノの子』『サマーウォーズ』はじめ細田作品にはクジラのモチーフが必ず出てくるので、まずはこっちでしょうね。
謎のKUJIRA SOUND SYSTEM
つい気になってしまったところ (ちょっちネタバレです)★『<U>』の中でジャスティスの人が手につけている砲を撃つとそのアバターの素顔がアンヴェイルされてしまう仕組み、映像的にも面白いです。でもこの人なんでこんな装備持ってるのかが謎でした。 『<U>』の運営サイドから正式権限を与えられているのか、それともただの自治厨なのか. 作品的には自分の考えただけの正義を振りかざすことへの警鐘を表現してる役どころですから、自治厨のはずだよなあ.
★そしてネットの感想でよく見る、竜の正体が意外すぎる問題。これは自分も思いましたw 序盤を観てたらふつう同級生のイケメン君かカヌーの人にも秘密があって実は. って思いますよねえ。(お父さんという線もありますが、『美女と野獣』がモチーフで主人公が女子高生だったら父娘の絆よりはまずはロマンス方面推しだなと) 一応作中で伏線はあることにはあるのですが、主人公との関連度の線が薄すぎてこれは苦しい‥.w
★合唱隊のマダム5人はあまり深く掘り下げられてはいないのですが、作中の描写やすずちゃんと一緒に写っている写真から、母親の死後もなんだかんだ面倒を見てくれて、縁のあった味方サイドの人たちなんだなというのは推測できます。意外にスポットライトが当たって活躍しだすのはまあ理解できます。 でもクライマックスへ向けていざモニョモニョへ. のシーン、バンで送ってくれるけど駅までで終わり、後は全部すずちゃん一人に任せられるアレは「そうはならんやろ」って普通ツッコミたくなるでしょうねえ。
- ここは5人のうち誰かが「私、車も現役なのよ(ニッコリ)」→スピード出そうなけっこうイイ車が出てくる→口をあんぐりする一同を乗せて超絶ドライビングテクで関東に凸る! あたりの方が多少の整合性を無視してでも盛り上がると思います。
- もしくはあまり出番のなかったすずちゃんのお父さんがここでいいところを見せる. という展開も。(しかしこれだとメッセージ経由でやっと父娘が分かりあえるラストの感動シーンが成立しない)
- もしくはすずちゃんの近親者やメインキャラの兄姉あたりで運転が得意なお助けキャラを最初から用意しておくとか.
大勢で押し掛けると多対1でボコリにいく感じが増すし、すずちゃんが一人でモニョモニョに立ち向かうシーンが成立しないのでこうならざるを得ないのでしょうか。でも暴力を振るってくる可能性のある成人男性のところに女子高生が一人で. というのは明らかに危険だしこの流れは違和感が強いなあと。作品中では感動のシーンなんですが、脳内ツッコミが激しくて感動できませんでした。 ここで安易に暴力に暴力で対抗しちゃうと本作のメッセージ性が薄れてしまいますが、まあエンタメ作品的には同行した男性陣がパンチ一発叩き込んで黙らせるぐらいが入ったほうがスッキリ治まるでしょうねえ。
★また、勇気を出してゴニョゴニョをアンヴェイルしたすずちゃんは『<U>』では認められて大盛り上がりとなりますが、リアルでの彼女の生活や学校周りでその後どうなったかも描写がないですね。「すず!お前の歌すごいな!」とか「すずちゃんごめん!あなたのこと誤解してた. あんなこと言ってゴメン. 」とか同級生が言ってくるようなシーンもベタでいいからあった方が自然かなあと思いました。 (でないと中盤、クラスのイケメン君が陰キャ女子の手を握った事案発生で女子たちがSNSで陰湿バトルを繰り広げてヒロちゃんが鎮火して回るゲームっぽいオモシロシーンの終着点がない。というかあのへん別になくてもよかったのでは. インターネットの悪しき面や人間の醜さの描写なら、『<U>』の中のあれこれだけでもう十分だった気がします。)
という感じで、終盤の映像と音楽の力があまりに強力で感動する流れに引っ張られていつもの細田イズムな入道雲が爽やかに写ってエンドクレジットに行ってしまうので、あれ. ?となんかモヤリズムが残ってしまうのでした。 う〜んこれは「考えるな、感じろ」(byブルース・リー)の精神で観たほうが楽しいのかもしれません。