名作映画『バグダッドカフェ』オリジナル版と完全版の違いは?どちらがおすすめ?
映画『バグダッドカフェ』は、アメリカ西部にある寂れたモーテル「バグダッド・カフェ」に集う人々の交流を描いたヒューマンストーリー。劇中には独特の空気感があり、つい何度もみてしまうというコアなファンも多いという。が、『バグダッドカフェ』には実は...
アメリカ西部の砂漠に佇む寂れたモーテル「バグダッド・カフェ」に集う人々の交流を描いたヒューマンドラマ。ドイツから夫と共にアメリカ旅行に来たジャスミンは、夫婦ゲンカの末に1人で車を降り、モハーベ砂漠にあるモーテル兼カフェ「バグダッド・カフェ」にたどり着く。バグダッド・カフェには不機嫌な女主人ブレンダら一癖も二癖もある人々が集い、いつも気だるいムードが漂っていた。しかしジャスミンの出現により、彼らの心は次第に癒やされていく。
『バグダッドカフェ』あらすじ 映画.comより 夫と別れて一人歩き出すヒロイン・ジャスミンヒロインは”太ったドイツ人の女性”ジャスミン。ストーリーは彼女が旦那とのケンカの末、砂漠の真ん中で車を降り、ひとり悠々と歩き出す場面からスタートする。この「夫の車を降りる」というシーン、二度三度とくりかえしみるたびに、実際は人生におけるいろいろな岐路の比喩的表現なんだろうなあとつくづく思う。
映画『バグダッドカフェ』には4種類のバージョンがある・1987年制作のオリジナル版・1994年、17分の未公開シーンを追加した完全版・完全版デジタルリマスター版(完全版の色調などを再調節したバージョン)・2008年、オリジナル版の再編集版「ニュー・デイレクターズ・カット版」
オリジナル版と完全版の違いは?
一点だけ違うのは、物語のラスト。オリジナル版では主人公であるジャスミンがプロポーズされるところで終わっているが、完全版ではジャスミンがプロポーズされるだけでなく、モーテルの女主人・ブレンダも家を追い出した夫と再会し抱擁する、というシーンが加わっている。
主人公はジャスミンだと書いたが、正直『バグダッドカフェ』は、ブレンダという一人の人間の成長を描いた物語でもあるように思う。
あの汚れたモーテルは、当時のブレンダのすさんだ心をそのままあらわしていた気がする。部屋は住む人の心を映し出すというけれど、あれはまさにその通り。心がすさんでいたら普段暮らしている空間もすさんでくるし、もちろんその逆も然りなんだな、と。
そうなると、 本作の真の主人公はジャスミンではなく、やはりブレンダのほうなのかもしれない。 ブレンダの幸せもあわせて描かれている完全版では、その点がより強調されている気がして個人的にはすごく好きだ。
▼『バグダッド・カフェ』考察記事