海上自衛隊が採用するV-BATはウクライナの実戦で証明された無人偵察機
海上自衛隊が採用するV-BATはウクライナの実戦で証明された無人偵察機

海上自衛隊が採用するV-BATはウクライナの実戦で証明された無人偵察機

今年1月、海上自衛隊が導入を発表した垂直離着陸(VTOL)式無人偵察機V-BATは、アメリカ陸軍および海軍において実績を重ね、ウクライナにおける実戦での性能が実証された無人機であり、各国で採用が促進されている。

V-BATは、主に軍事用AI及びドローンの開発を手掛けるShield AI(シールドAI)社によって開発・生産された、情報収集、監視、偵察等のISR活動を目的とした無人偵察機である。元来は2016年頃に米国のMartin UAV社が開発を開始し、その後、2021年に同社がシールドAIに買収された。V-BATは2021年にアメリカ海軍に採用され、米軍内では「MQ-35」と命名された。2023年には陸軍、翌2024年には沿岸警備隊にも採用されている。

V-BATは垂直離着陸(Vertical Take-off and Landing)に由来する名称であり、単発ダクトファンによる垂直離着陸機能を備えている。全長3.8m、翼幅2.9m、重量57kgの中型無人機に分類され、4.6×4.6m四方の狭小空間からの運用が可能であり、水上艇のヘリ甲板等からの離着陸も実施可能である。専用のカタパルトや回収装置を必要とせず、哨戒艦のような小型艦艇においても、一定のスペースが確保できれば運用可能である点が、米海軍、沿岸警備隊、海上自衛隊に採用された主要因となっている。最高速度は167km/h、最大10~13時間の航続時間、最大500km以上の航続距離を有し、広範囲にわたる情報収集・監視・偵察(ISR)活動に対応する。水平飛行モードでは揚力を効率的に得て飛行し、11.3kgのペイロードにて電気光学(EO)センサーや中波長赤外(MWIR)センサーといった光学機器を搭載し、高精度な情報収集を実現する。シールドAI社が開発したHivemind AIを搭載し、高度な自律飛行に加え、GPSや通信が遮断された環境下でも運用可能な耐電子戦性能を有する。

ウクライナで証明された性能

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ウクライナ軍に対するV-BAT無人航空機(UAV)の供与機数に関して、正確な機体数は公には明らかにされておらず、そもそもV-BATの供与が公式発表されたのは2025年2月である。シールドAI社はウクライナ無人システム部隊(Unmanned Systems Forces, USF)との協力を開始し、V-BATの運用に着手した旨を報告した。5週間のパイロット訓練プログラム完了後、同社はウクライナに対し追加で4機のV-BATドローンを納入することを確約した。V-BAT無人航空システムは無人システム部隊(USF)と連携して活動しており、ウクライナ国内において130回以上の出撃を完了している。ウクライナ国防省は戦場における成果を鑑み、シールドAI社に対して200機のV-BAT調達を要請したと報じられている。ウクライナ軍はこれまでに少なくとも数十機のV-BATを受領しており、今後、更なる機体の供与が見込まれる。