「素人の思いつき」だから成功した!?<br />デロリアンを動かした〈技術〉はこうして生まれた
「素人の思いつき」だから成功した!?<br />デロリアンを動かした〈技術〉はこうして生まれた

「素人の思いつき」だから成功した!?デロリアンを動かした〈技術〉はこうして生まれた

2015年10月21日、あの『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンを走らせた「ごみを燃料にする」技術は、どのようにして生まれたのか? 小さなベンチャーが見つけた、専門家すら驚くその技術誕生のきっかけとは?

2015年10月21日、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が描いた未来の日付に、映画に登場する技術「ごみを燃料に動く」を実現し、 デロリアン を走らせた男――それが、小さなベンチャー 「日本環境設計」の社長、岩元美智彦氏 だ。 30年間抱えつづけた夢をかなえた岩元氏だが、そもそも技術者でも科学者でもない。にもかかわらず、なぜ 「服からバイオエタノールをつくる」 というアイデアを思いつき、その技術を実現することができたのか? 著書 『「捨てない未来」はこのビジネスから生まれる』 から、専門家すら驚くその技術誕生のきっかけに迫る。

「服から燃料できるんちゃう?」

その記事は当時アメリカで大きなうねりとなっていた「バイオエタノール」についてのものでした。トウモロコシから、エタノールなどのバイオ燃料ができる。温暖化が深刻化し、CO2の削減が喫緊の課題となっていた欧米の救世主として、急速に市場を拡大している――。そんな内容でした。

「トウモロコシからバイオエタノールがつくれるんなら、同じ植物の『綿』でできた服からもバイオエタノールができるんちゃう?」

酒の席での「バイオエタノール談義」が原点に

当時42歳の私とは、ひょっとすると親子でも通るくらい年が離れていますが、年齢も得意とする分野もまったく異なるこの青年とは妙に馬が合いました。ことあるごとに彼を飲みに誘い、「繊維リサイクルをやりたいんや」と、酔いどれオヤジの繰り言のように、高尾に熱く語っていました。

「いや、トウモロコシっていうたら植物やろ。植物からバイオエタノールがつくれて燃料になるんやったら、綿からもバイオエタノールをつくれるんちゃうかと思ってな」 「たしかに、綿も植物ですからね」 「そやろ? ってことは、今は燃やして捨てている綿の服を集めてバイオエタノールをつくったら、新しいリサイクルができるってことになるやろ? それってオモロイと思わへん?」 「ホンマですね。岩元さん、それめちゃくちゃオモロイですね」 「そやろ。これやりたいなぁと思って。どうやろ、これ、できそうかな?」 「まあ、いけるんちゃいますかね」 「そうか、いけそうか……。ほな、オモロそうやし、服から燃料つくってみるか!」

服を原料に、クルマを走らせ、工場を動かし、飛行機を飛ばす燃料をつくることができるのではないか――。